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株を学ぶ / 相場の俗語

飛ぶ(会社が飛ぶ)

会社が倒産すること。もとは手形が不渡りになることを指した商売の言葉。

ひとことで言うと

会社が倒産することを指す、くだけた言い方です。

もう少しくわしく

「あの会社、飛んだらしい」という使い方をします。

もとは商売の現場の言葉です。手形が不渡りになり、支払いができなくなった相手が行方をくらますことを「飛ぶ」と言いました。

いまは意味が広がり、倒産・破産・経営破綻をまとめて指す言葉として使われています。

使われ方 意味
会社が飛ぶ その会社が倒産する
人が飛ぶ 支払いから逃げて姿を消す
資金が飛ぶ お金が一気になくなる

株の世界では、保有している銘柄の会社が倒産することを指す場面がほとんどです。

実際の数字で見る

会社が倒産したとき、株主が受け取れる金額はどうなるか。

会社の財産は、決まった順番で分けられます。

順番 誰が受け取るか
1 税金・従業員の給料
2 担保のついた借金(銀行など)
3 担保のない借金・取引先への支払い
4 社債を持っている人
5(最後) 株主

株主はいちばん最後です。

そして、倒産する会社は借金のほうが財産より多いのが普通です。だから、実際にはこうなります。

株主の取り分は、ほぼ0円です。

具体的に見ます。

金額
会社の財産(売却できる額) 300億円
借金・支払うべき額 500億円
株主に残る額 0円

200億円足りません。 借金を返しきれないのですから、株主に回るものはありません。

株価がどうなるかも書いておきます。

段階 起きること
1 整理ポストに移される
2 1か月ほど取引が続く(値が付くこともある)
3 上場廃止
4 市場で売れなくなる

上場廃止までのあいだ、株価が1円や2円で取引されることがあります。 これは価値があるからではなく、最後に賭ける人がいるからです。

ここに注意

兆しは、たいてい前から出ています。

倒産は、ある朝いきなり起きるわけではありません。公表されている書類に、前から手がかりが出ています。

いちばん大事なのは、監査法人の意見です。

監査意見 意味
無限定適正意見 ふつうの状態
限定付適正意見 一部に問題がある
意見不表明 監査法人が判断できないと言っている。危険
不適正意見 決算書が適正でないと言っている。危険

下の2つが出ている会社は、それだけで強い警告です。

次に見るのが、継続企業の前提に関する注記です。

これは会社自身が「このまま事業を続けられるか分からない」と書いた注記です。有価証券報告書と決算短信に載ります。

会社が自分で危ないと言っている状態です。

もう4つ、知っておいてください。

1. 兆しは決算の数字にも出ます。

見るもの 危ない状態
自己資本比率 極端に低い、またはマイナス(債務超過)
営業キャッシュフロー 何期も続けてマイナス
インタレストカバレッジレシオ 1倍を下回る(利息すら払えていない)
短期の借入金 返済期限が集中している

債務超過は、財産より借金が多い状態です。上場廃止の理由にもなります。

2. 「安いから」で買うと、まっすぐ当たります。

株価が数十円まで下げた会社は、PBRもPERも極端に低く見えます。

しかしそれは、市場が「この会社は続かない」と判断していることの表れです。バリュートラップの最も極端な形です。

安さは、安全ではありません。

3. 倒産だけが「飛ぶ」ではありません。

上場廃止になる理由は、倒産だけではありません。

理由 株主にとって
倒産・破綻 ほぼ0円
不正会計の発覚 大きく下げるが、会社は残ることもある
MBO・TOBによる非上場化 買い取ってもらえる
親会社との株式交換 別の株を受け取る

上場廃止=価値ゼロ、ではありません。 理由を確かめてください。

4. 分散していれば、1社飛んでも終わりません。

1銘柄に資金の全部を入れていれば、その会社が飛んだときに資金を失います。

10銘柄に分けていれば、1社が0円になっても損は1割です。

倒産を当てる能力は必要ありません。 当てられなくても耐えられる量に抑えておけば済みます。

そのうえで、確認の手順を書いておきます。

持っている銘柄について、年に一度、有価証券報告書の監査意見だけは見てください。

読むのは1ページです。「無限定適正意見」と書いてあれば、それ以上は読まなくてよいのです。

違う言葉が書いてあったときだけ、中身を確かめてください。それだけで、飛ぶ会社のかなりの部分を避けられます。

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最終更新
2026-09-18