PBR(株価純資産倍率)
会社が持っている正味の財産に対して、株価が何倍かを示す数字。1倍割れは割安とされる。
ひとことで言うと
「この会社を今たたんだら、株主にいくら返ってくるか」に対して、株価が何倍かを表します。
もう少しくわしく
中古車販売店を買うとします。店には売れ残りの車、土地、現金があり、全部で1億円分。借金が4,000万円あるので、差し引き6,000万円が正味の財産です。
この店の売値が6,000万円なら、PBRは1倍。1億2,000万円なら2倍です。
PBR1倍とは「今すぐたたんでも、払った金額が戻ってくる」水準を意味します。1倍を割っていれば、計算上は解散したほうが得という状態です。
日本株にはPBR1倍割れの会社が多く、東京証券取引所が2023年に改善を要請したほどです。
実際の数字で見る
| 株価 | 2,400円 |
| 1株あたりの純資産(BPS) | 3,000円 |
| PBR(2,400 ÷ 3,000) | 0.8倍 |
株価が正味の財産を下回っています。数字だけ見れば割安です。
ここに注意
1倍割れが放置されている会社には、たいてい理由があります。
帳簿上の財産が、実際にはその値段で売れないことがあります。古い工場、売れない在庫、回収できない売掛金。帳簿の数字と現実の価値がずれているのです。
また、稼ぐ力がない会社は、財産があっても評価されません。 毎年赤字を出して財産を食いつぶしている会社なら、今は1倍割れでも、来年には財産自体が減っています。
PBRが低いだけで買うのは危険です。 ROE(稼ぐ力の効率)とあわせて見てください。財産があり、かつそれを使って利益を出せている会社かどうかが分かれ目です。
この数字を、実際の上場企業で見る
いま決算の数字がそろっている上場企業3,609社で見ると、PBRの真ん中(中央値)は1.3倍です。
半分の会社が0.8倍から2.2倍のあいだに入っています。
極端に大きい・小さい値の会社(上下5%ずつ、計362社)は、図が読めなくなるため図からは外しています。上の中央値や範囲には含めています。
業種によって「ふつう」が違う
PBRの中央値が高い業種と低い業種です(PBRが出ている会社が10社以上ある業種のみ)。 同じ数字でも、業種によって高い・低いの意味が変わります。
| 業種 | 中央値 | 社数 |
|---|---|---|
| 情報・通信業 | 2.3 倍 | 589社 |
| 医薬品 | 1.8 倍 | 77社 |
| 精密機器 | 1.8 倍 | 51社 |
| ⋮ | ||
| パルプ・紙 | 0.6 倍 | 22社 |
| 電気・ガス業 | 0.6 倍 | 27社 |
| 輸送用機器 | 0.7 倍 | 80社 |
よく知られた会社は、どのあたりにいるか
時価総額の大きい順に5社。業績の良し悪しで選んだものではありません。
| 会社 | PBR | 全体の中での位置 |
|---|---|---|
| トヨタ自動車 | 1.1 倍 | 下位42% |
| 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 1.7 倍 | 上位35% |
| リクルートホールディングス | 17.9 倍 | 上位1% |
| ソフトバンクグループ | 1.5 倍 | 上位44% |
| アドバンテスト | 32.1 倍 | 上位1% |
関連する言葉
- PER(株価収益率) 会社が1年で稼ぐ利益に対して、株価が何倍かを示す数字。低いほど割安とされる。
- BPS(1株あたり純資産) 会社を今たたんだとき、株1つに割り当てられる財産の額。PBRを計算するもとになる。
- ROE(自己資本利益率) 株主から預かったお金を使って、1年でどれだけ利益を出せたかを示す割合。
- 自己資本比率 会社の財産のうち、借金でない部分がどれだけあるかを示す割合。高いほど倒れにくい。
- 最終更新
- 2026-09-16