決算短信
会社が3か月ごとに出す成績表。株価が最も大きく動くきっかけになる資料。
ひとことで言うと
会社が3か月ごとに出す成績表です。株価が最も大きく動くのは、この発表の直後です。
もう少しくわしく
上場している会社は、3か月ごとに業績を公表する義務があります。その第一報が決算短信です。
「短信」という名のとおり、速さを優先した簡潔な資料です。決算期末から45日以内、多くは30日ほどで出されます。
中身は1〜2ページ目にほぼ集約されています。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 売上高 | いくら売ったか |
| 営業利益 | 本業でいくら儲けたか |
| 経常利益 | 本業に金利などを加えた儲け |
| 当期純利益 | 税金を引いた後、最終的に残った額 |
| 1株あたり利益(EPS) | 1株に割り当てられる利益 |
| 配当予想 | 1株にいくら配るつもりか |
| 業績予想 | 今期はこれくらいになる見込み |
決算短信が重要なのは、過去の実績と、これからの見通しが同じ紙に載っているためです。
そしてもう一つ、決算短信は監査を受けていません。 公認会計士の確認を経ずに出される速報値であり、後に修正されることもあります。正式に監査を受けた数字は、後から有価証券報告書で公表されます。
実際の数字で見る
決算発表後の株価は、次のように動きます。
| 発表内容 | 株価の反応 |
|---|---|
| 増益、かつ予想を上回った | 上がりやすい |
| 増益だが、予想には届かなかった | 下がることがある |
| 減益だが、予想ほど悪くなかった | 上がることがある |
利益が増えたのに株価が下がる。これが決算発表で最も戸惑う現象です。
たとえば、営業利益が前年比15%増えたとします。良い数字に見えます。しかし市場が30%増を見込んでいた場合、実際は「期待外れ」として売られます。
株価は、過去の数字ではなく、期待との差で動きます。
ここに注意
決算短信で最も株価を動かすのは、実績ではなく「今期の業績予想」です。
すでに終わった3か月の数字は、ある程度まで市場に織り込まれています。一方、会社自身が出す今後の見通しは、その場で初めて明かされる情報です。
実績が良くても、会社が「来期は減益の見込み」と発表すれば株価は下がります。 逆に実績が悪くても、見通しが上向きなら買われます。
さらに、期の途中で会社が見通しを変えることがあります。これを業績修正と呼びます。上向きに変えるのが上方修正、下向きに変えるのが下方修正です。株価への影響は決算そのものより大きいことすらあります。
もう一つ、初心者が損をしやすい点があります。
決算発表の直前に買うのは、賭けに近い行為です。
発表内容は誰にも分かりません。良ければ上がり、悪ければ下がります。しかも発表は取引時間が終わった後に行われることが多く、翌朝の始値がいきなり10%下で始まることもあります。損切りの注文を入れていても間に合いません。
決算をまたいで株を持つかどうかは、あらかじめ決めておくべき判断です。発表日は事前に公表されています。
関連する言葉
- 有価証券報告書 年に一度、監査を受けて提出される会社の正式な報告書。数字の信頼性が最も高い資料。
- 上方修正・下方修正 会社が期の途中で業績見通しを変えること。決算発表そのものより株価が動くことがある。
- 適時開示 会社が重要な情報をその都度公表する制度。株価に影響する発表は、必ずここを通る。
- EPS(1株あたり利益) 会社の利益を株の数で割った数字。株1つが1年でいくら稼いだかを表す。
- 最終更新
- 2026-09-16