上場廃止
株式市場での売買ができなくなること。理由によって、株主が受け取れる金額はまったく違う。
ひとことで言うと
その株が証券取引所で売買できなくなることです。理由によって、手元に残る金額は大きく変わります。
もう少しくわしく
上場廃止と聞くと「倒産」を思い浮かべる人が多いのですが、実際には半分以上が前向きな理由です。
主な理由は次のとおりです。
| 理由 | 株主が受け取るもの | 性格 |
|---|---|---|
| TOB・MBOによる非上場化 | 買取価格の現金 | 前向き |
| 他社との合併・完全子会社化 | 相手の会社の株、または現金 | 前向き |
| 倒産(破産・民事再生) | ほぼゼロ | 最悪 |
| 上場基準を満たさなくなった | 市場外でしか売れない | 悪い |
| 虚偽記載・不正会計 | 市場外でしか売れない | 悪い |
同じ「上場廃止」という言葉でも、買取価格が現金で振り込まれる場合と、紙切れ同然になる場合があります。混同してはいけません。
実際の数字で見る
100株を持っていた場合、理由によってこれだけ差が出ます。
| 理由 | 発表前の株価 | 最終的に手元に残る額 |
|---|---|---|
| TOB(価格2,800円) | 2,000円 | 28万円 |
| 倒産 | 300円 | ほぼ0円 |
倒産による上場廃止では、会社の財産はまず銀行や取引先への支払いに充てられます。株主への分配は一番最後です。残りが出ることはまずありません。
ここに注意
上場廃止が決まった株には、「整理銘柄」という期間が設けられます。ここで大きく損をする人がいます。
上場廃止が決まると、通常は約1か月間だけ売買できる期間が与えられます。この間に指定される区分を整理ポスト(整理銘柄)と呼びます。これは「最後に売る機会」を株主に与えるための制度です。
ところがこの期間中、株価は異常な動きをします。
倒産による上場廃止でも、一時的に株価が2倍、3倍に跳ね上がることがあります。理由は、「最後に上がるはずだ」と考える短期の売買が集中するためです。実態の価値とは無関係な値動きです。
そして期限が来れば、その株は売買できなくなります。 価値がゼロの株を、上がると信じて買った人だけが残ります。
投資として、整理銘柄に手を出す理由は一つもありません。
もう一つ、知っておくべき点があります。
上場廃止になっても、会社が消えるわけではありません。 非上場の会社として営業を続けていることがほとんどです。ただし株主にとっては、売りたいときに売る相手がいない状態になります。株を持ったまま、換金する手段がなくなるということです。
会社が上場を維持できるかどうかは、上場維持基準という数値で決まっています。株主数、流通株式の時価総額、売買の量などです。この基準を割り込んだ会社は、改善計画を提出して猶予期間に入ります。この情報は取引所と会社の両方が公表しています。
関連する言葉
- TOB(株式公開買付け) 買い手が「この価格で買います」と公表して株を買い集めること。市場価格より高い値段がつくことが多い。
- MBO 経営陣が自分の会社の株を買い取って、上場をやめること。株主には買取価格が支払われる。
- 整理ポスト 上場廃止が決まった株を最後に売買できる期間。値動きが実態と切り離れる、最も危険な場所。
- IPO(新規公開株) 会社が初めて株式市場に上場し、誰でも株を買えるようになること。
- 最終更新
- 2026-09-16