自己資本比率
会社の財産のうち、借金でない部分がどれだけあるかを示す割合。高いほど倒れにくい。
ひとことで言うと
会社の財産のうち、返さなくていいお金がどれだけあるかを表します。高いほど潰れにくい会社です。
もう少しくわしく
3,000万円の家を買うとします。
- Aさん:貯金2,400万円+住宅ローン600万円 → 自己資本比率80%
- Bさん:貯金300万円+住宅ローン2,700万円 → 自己資本比率10%
同じ家に住んでいても、収入が止まったときの余裕がまったく違います。Bさんは数か月で行き詰まります。
会社も同じです。自己資本比率が高い会社は、業績が数年悪化しても耐えられます。 低い会社は、少しの悪化で資金繰りが苦しくなります。
一般には40%以上あれば安定、60%を超えれば優良とされます。
実際の数字で見る
| 総資産(全財産) | 2,000億円 |
| 純資産(借金でない分) | 1,400億円 |
| 自己資本比率(1,400 ÷ 2,000) | 70% |
借金は600億円。財産の7割が自前で、かなり安全な水準です。
ここに注意
業種によって、普通の水準がまったく違います。
銀行は他人のお金(預金)を預かって運用するのが商売なので、自己資本比率は数%が普通です。これは危ないという意味ではなく、そういう仕組みの商売だからです。不動産やリースも低めに出ます。
比べるなら同じ業種どうしで比べてください。 銀行のこの数字を製造業の基準で見ると、見当違いの判断になります。
もう一つ。高ければ良いとも限りません。 借金をせず現金を抱え込んでいるだけの会社は、成長のための投資をしていないとも言えます。株主から見れば「使われていないお金」です。ROEが低い状態で自己資本比率だけ高い会社は、この状態にあることがあります。
この数字を、実際の上場企業で見る
いま決算の数字がそろっている上場企業3,652社で見ると、自己資本比率の真ん中(中央値)は55.8%です。
半分の会社が39.2%から70.4%のあいだに入っています。
極端に大きい・小さい値の会社(上下5%ずつ、計363社)は、図が読めなくなるため図からは外しています。上の中央値や範囲には含めています。
業種によって「ふつう」が違う
自己資本比率の中央値が高い業種と低い業種です(自己資本比率が出ている会社が10社以上ある業種のみ)。 同じ数字でも、業種によって高い・低いの意味が変わります。
| 業種 | 中央値 | 社数 |
|---|---|---|
| 医薬品 | 69.9% | 78社 |
| 精密機器 | 67.5% | 52社 |
| 機械 | 66.4% | 203社 |
| ⋮ | ||
| 銀行業 | 4.9% | 79社 |
| 保険業 | 18.6% | 14社 |
| その他金融業 | 24.9% | 37社 |
よく知られた会社は、どのあたりにいるか
時価総額の大きい順に5社。業績の良し悪しで選んだものではありません。
| 会社 | 自己資本比率 | 全体の中での位置 |
|---|---|---|
| トヨタ自動車 | 37.8% | 下位23% |
| 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 5.1% | 下位2% |
| リクルートホールディングス | 56.8% | 上位48% |
| ソフトバンクグループ | 29.0% | 下位13% |
| アドバンテスト | 67.9% | 上位30% |
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借金が少なく倒れにくい会社
財産のうち借金でない割合(自己資本比率)が高い順です。
財務が安全なことと、株価が上がることは別の話です。銀行や不動産など、比率が低いのが普通の業種もあります。
関連する言葉
- ROE(自己資本利益率) 株主から預かったお金を使って、1年でどれだけ利益を出せたかを示す割合。
- PBR(株価純資産倍率) 会社が持っている正味の財産に対して、株価が何倍かを示す数字。1倍割れは割安とされる。
- BPS(1株あたり純資産) 会社を今たたんだとき、株1つに割り当てられる財産の額。PBRを計算するもとになる。
- 退場(たいじょう) 資金を失い、株式投資そのものから撤退すること。
- 最終更新
- 2026-09-16