監理銘柄と特設注意市場銘柄
取引所が投資家に注意を促すために指定する区分。3種類あり、意味が違う。
ひとことで言うと
取引所が「この銘柄には注意してください」と印をつけた状態です。
もう少しくわしく
上場企業に問題が生じたとき、取引所は区分を指定して投資家に知らせます。 3種類あります。
| 区分 | 状態 | 売買 |
|---|---|---|
| 特設注意市場銘柄 | 内部管理体制に問題がある | できる |
| 監理銘柄 | 上場廃止基準に該当するおそれ | できる |
| 整理銘柄 | 上場廃止が決まった | 一定期間だけできる |
下に行くほど重くなります。
特設注意市場銘柄は、上場は維持されるものの、会社の管理体制に問題があるとされた状態です。不適切な会計処理などが発覚した後に指定されます。
一定期間内に改善が確認されなければ、上場廃止に向かいます。
監理銘柄は、上場廃止になるかもしれない状態です。
| 監理銘柄になる例 | 中身 |
|---|---|
| 有価証券報告書の提出が遅れた | 期限までに出せない |
| 虚偽記載の疑いが出た | 調査中 |
| 債務超過になった | 一定期間で解消しなければ廃止 |
| 上場廃止につながる合併等 | 手続きの過程で |
整理銘柄は、廃止が決定した後の区分です。原則として1か月程度、売買の機会が残されます。
なぜ即座に売買を止めないのか。持っている人に売る機会を与えるためです。
実際の数字で見る
整理銘柄に移った後、何が起きるかを見ます。
| 時期 | 株価の動き |
|---|---|
| 廃止の決定が発表 | 大きく下げる |
| 整理銘柄に移る | 下げ続ける |
| 期間の終わり | さらに下げる |
| 上場廃止 | 市場で売買できなくなる |
上場廃止になると、その株を市場で売ることはできません。
| その後 | |
|---|---|
| 会社が存続する場合 | 株主のままだが、換金が難しい |
| 倒産の場合 | 株の価値はほぼゼロになる |
株主は債権者より後の順位です。借金を返した後に残りがあれば分配されますが、たいてい残りません。
そして、整理銘柄の期間には特有の値動きがあります。
短期の売買を狙う人が集まり、大きく上下することがあります。
「廃止前に一度跳ねるのではないか」という思惑で買う人がいるためです。しかしその後は必ず廃止されます。 逃げ遅れれば売れなくなります。
このサイトは、この期間の売買を勧めません。 上がる根拠がなく、期限だけが確実に来る取引です。
ここに注意
指定されたことは、必ず公表されます。気づかなかったでは済みません。
確かめる場所は決まっています。
| 見る場所 | 何が分かるか |
|---|---|
| 日本取引所グループのサイト | 指定銘柄の一覧と理由 |
| 証券会社の銘柄画面 | 指定の表示が出る |
| 適時開示 | 会社からの発表 |
証券会社の画面には、注意を促す表示が出ます。買おうとすると確認画面が出ることもあります。そこを読み飛ばさないでください。
もう3つ、知っておいてください。
1. 上場廃止には、悪くない理由もあります。
| 理由 | 性質 |
|---|---|
| TOBで完全子会社になった | 悪い話ではない |
| MBOで非公開化した | 同上 |
| 株式移転で持株会社ができた | 同上 |
| 債務超過・虚偽記載 | 悪い話 |
前の3つは、買収価格で買い取ってもらえます。 監理銘柄に指定されることもありますが、意味がまったく違います。
「監理銘柄になった」というだけで慌てず、理由を確かめてください。
2. 信用取引が制限されることがあります。
指定されると、新規の信用建てができなくなることがあります。持っている建玉は、期限までに決済する必要があります。
3. 貸株に出していると気づきにくいことがあります。
貸株サービスに出している株は、自分の名義から外れています。 会社からの通知が届かないことがあります。
そして、いちばん大事なことを書きます。
これらの区分は、問題が起きた「後」に指定されます。
指定された時点で、株価はすでに大きく下げています。 指定を見てから売っても、間に合いません。
先に気づく方法があるとすれば、決算書を読むことです。
- 継続企業の前提に関する記載はないか
- 債務超過に近づいていないか
- 営業キャッシュフローが続けてマイナスになっていないか
- 監査法人が交代していないか
最後の項目は見落とされがちですが、監査法人の交代は重要な合図になることがあります。理由は適時開示で公表されます。
関連する言葉
- 整理ポスト 上場廃止が決まった株を最後に売買できる期間。値動きが実態と切り離れる、最も危険な場所。
- 上場廃止 株式市場での売買ができなくなること。理由によって、株主が受け取れる金額はまったく違う。
- 継続企業の前提(ゴーイングコンサーン) 会社が事業を続けられるかに疑いがあるときの注記。2段階あり、意味が違う。
- 適時開示 会社が重要な情報をその都度公表する制度。株価に影響する発表は、必ずここを通る。
- 売買停止とサーキットブレーカー 取引所が売買を一時的に止める仕組み。情報が行き渡るまでの時間を作る。
- 最終更新
- 2026-09-18