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株を学ぶ / 制度・仕組み

貸株

持っている株を証券会社に貸して金利を受け取る仕組み。優待と配当の扱いに注意が要る。

ひとことで言うと

持っている株を証券会社に貸して、金利を受け取る仕組みです。

もう少しくわしく

貸株サービスと呼ばれます。手続きをすれば、持っている株を自動的に貸し出せます。

なぜ証券会社が借りるのか。空売りをしたい人に又貸しするためです。

空売りは「株を借りて売る」取引です。その借りる先が必要になります。貸株は、その供給源になっています。

受け取れる金利は、その株の需要で決まります。

状況 貸株金利の目安
普通の銘柄 年0.1%程度
空売りが多い銘柄 年1〜5%
極端に借り手が多い銘柄 年10%を超えることも

持っているだけで金利が入るため、一見すると得しかないように見えます。

実際の数字で見る

100万円分の株を1年間貸した場合。

貸株金利 年間で受け取る額
年0.1% 1,000円
年1.0% 10,000円
年5.0% 50,000円

普通の銘柄では年0.1%程度です。100万円で1,000円。大きな金額ではありません。

ただし持っているだけで入るので、何もしないよりは有利です。

ここに注意

貸株には、見落とされやすい注意点が4つあります。

1. 株主優待を受け取れないことがある。

貸している間、株主名簿上の持ち主は自分ではありません。そのため優待の権利を失うことがあります。

多くの証券会社には「優待権利自動取得」という設定があり、権利確定日の前に自動で返してもらえます。この設定を入れておかないと、優待が消えます。

2. 配当は「配当金相当額」として受け取る。

配当そのものではなく、同額の金銭が支払われます。金額は同じですが、税金の扱いが違います。

配当金 配当金相当額
所得の区分 配当所得 雑所得
税率 20.315%(分離課税) 総合課税
損益通算 株の損失と通算できる できない
確定申告 原則不要 年20万円超で必要

株の売却損と相殺できません。 所得が高い人ほど、税率が上がる可能性があります。

3. 証券会社が破綻したら、返ってこない可能性がある。

ここが最も重要です。

通常、証券口座の株は分別管理されており、証券会社が破綻しても保護されます。投資者保護基金による1,000万円までの補償もあります。

しかし貸している株は、この保護の対象外です。法律上、株の所有権は借りた側に移っているためです。

年0.1%の金利のために、元本が保護されない状態を受け入れることになります。

4. NISA口座では使えない。

制度上、NISA口座の株は貸株に出せません。

まとめると、貸株は「持っているだけで少し増える」仕組みですが、得られる金利と、失う保護・税の不利を比べて判断する必要があります。

年0.1%の銘柄であれば、割に合うかどうかは慎重に考えてください。 一方、金利が数%になる銘柄なら、検討の余地はあります。

関連する言葉

  • 空売り(からうり) 持っていない株を借りて先に売り、値下がりしたら買い戻して差額を得る手法。
  • 株主優待 会社が株主に贈る、自社製品や割引券などの品物やサービス。日本独自の慣習。
  • 特定口座 証券会社が税金の計算をしてくれる口座。源泉徴収ありを選べば、原則として確定申告が不要になる。
  • 信用取引 証券会社からお金や株を借りて売買する仕組み。手持ち以上の金額を動かせるが、損も拡大する。
最終更新
2026-09-16