カブシルベ KABUSHIRUBE
株を学ぶ / 制度・仕組み

適時開示

会社が重要な情報をその都度公表する制度。株価に影響する発表は、必ずここを通る。

ひとことで言うと

会社が重要な出来事をすぐ公表する制度です。株価を動かす発表は、すべてここを通ります。

もう少しくわしく

上場会社には、投資家の判断に影響する情報を速やかに公表する義務があります。これが適時開示です。

公表の場は、東京証券取引所が運営するTDnetという仕組みです。会社の公式サイトにも同時に掲載されます。誰でも無料で、発表と同時に読めます。

適時開示の対象になるのは、たとえば次のような事項です。

  • 決算短信、業績予想の修正
  • 配当の増減
  • 新株の発行(増資)、自社株買い
  • 合併、買収、TOB
  • 新製品や大型契約
  • 不祥事、事故、災害による損害
  • 訴訟の提起や判決

この制度の意味は、全員が同じ情報を同じ時刻に受け取れることにあります。

一部の人だけが先に知って売買すれば、インサイダー取引という犯罪になります。適時開示は、それを防ぐための土台です。

実際の数字で見る

適時開示は、取引が終わった後に出されることが多いという特徴があります。

時刻 出来事
15:30 その日の取引が終わる
16:00 下方修正が公表される
翌9:00 売り注文が殺到して始値がつかない
翌9:40 ようやく値がつく。前日比 -14%

取引時間中に発表すると、情報を早く見た人だけが有利になります。全員が同じ条件で判断できるよう、時間外に出すのが慣例です。

そのため投資家は、前日の終値で売ることはできません。 翌朝の始値が出発点になります。

ここに注意

発表を見てから注文を出しても、価格はすでに動いています。

適時開示は誰でも見られます。しかし機械による自動売買は、公表から1秒以内に注文を出します。 個人が本文を読み終える頃には、株価は新しい水準に移った後です。

つまり適時開示は、速さで勝負する情報ではありません。

では、個人投資家はどう使うべきか。過去の開示をまとめて読むことに価値があります。

  • 下方修正を何度も出していないか
  • 増資を繰り返していないか。特に行使価額修正条項付のものは要注意
  • 不祥事や訴訟が続いていないか
  • 配当をどれくらい安定して出しているか

これらはその会社の性格を示します。数字だけでは見えない部分です。

もう一つ、重要な注意があります。

会社の発表を「好材料」と紹介する情報が、SNSや掲示板ですぐ流れます。 しかしその要約は、発表を見た誰かの解釈にすぎません。

たとえば「大型契約を受注」と書かれていても、原文には契約金額が書かれていないことがあります。金額が業績に与える影響は不明、という意味です。要約だけを読んで売買すれば、この情報の欠落に気づけません。

原文は無料で読めます。 判断に使うなら、要約ではなく原文を読んでください。

関連する言葉

  • 決算短信 会社が3か月ごとに出す成績表。株価が最も大きく動くきっかけになる資料。
  • 上方修正・下方修正 会社が期の途中で業績見通しを変えること。決算発表そのものより株価が動くことがある。
  • インサイダー取引 公表前の重要情報を知って売買する犯罪。知人から聞いた場合も処罰の対象になる。
  • 有価証券報告書 年に一度、監査を受けて提出される会社の正式な報告書。数字の信頼性が最も高い資料。
最終更新
2026-09-18
訂正
2026-09-18 取引所が閉まる時刻を15:00と書いていました。正しくは15:30です。あわせて、例に挙げた開示の時刻も16:00に直しました。