カブシルベ KABUSHIRUBE
株を学ぶ / 売買の手法

高配当株投資

配当利回りの高い株を集める手法。利回りが高い理由が株価下落なら、罠になる。

ひとことで言うと

配当をたくさん出す会社の株を集める投資の仕方です。

もう少しくわしく

配当利回りの高い銘柄を選んで持ち、配当を受け取り続ける手法です。

人気がある理由は、はっきりしています。

良い点 中身
現金が定期的に入る 売らなくても収入になる
売る判断がいらない いつ売るか悩まずに済む
下げたときの支え 配当があるぶん、値下がりを少し埋める

とくに2つ目が大きいものです。成長株は「いつ売るか」が難しく、多くの人がそこで失敗します。配当が目的なら、持ち続けることが前提になります。

しかし、この手法には特有の落とし穴があります。

配当利回りは、2つの理由で上がります。

計算式を見れば分かります。

配当利回り = 1株あたり配当 ÷ 株価 × 100

分数です。分子が増えても上がりますが、分母が減っても上がります。

上がった理由 中身
配当が増えた 良いこと
株価が下がった 良いこととはかぎらない

実際の数字で見る

配当利回りが上がる2つの理由株価が下がっただけで利回りは上がる。その後の減配で利回りも株価も落ちる形。 株価 業績が悪化して半分に 配当利回り 6.0% ここで減配
株価配当利回り配当を1円も増やしていないのに利回りは3%から6%へ。上がった理由は株価が下がったことだけ
配当を1円も増やしていないのに利回りが3%から6%へ。その後の減配で利回りも株価も落ちる。説明のための模式図です。実在の銘柄・企業の数値ではありません。

配当60円の会社を追います。

株価 配当 利回り
最初 2,000円 60円 3.0%
業績悪化で半分に 1,000円 60円 6.0%
その後、減配 900円 30円 3.3%

真ん中の行を見てください。利回り6.0%です。

スクリーニングで「利回り5%以上」と検索すれば、この銘柄が出てきます。数字だけを見れば、とても魅力的です。

しかし実際には、株価が半分になっただけです。配当は1円も増えていません。

そして多くの場合、次に起きるのは減配です。業績が悪化している会社が、いつまでも同じ配当を出し続けられるはずがありません。

減配されると、こうなります。

結果
配当 60円 → 30円
利回り 6.0% → 3.3%
株価 さらに下がる

配当も減り、株価も下がります。 高利回りを狙って買った人は、両方を失います。

ここに注意

利回りの数字だけで選ばないでください。確かめる項目は3つです。

1. 配当性向を見る。

利益のうち何%を配当に回しているかです。

配当性向 = 配当の総額 ÷ 当期純利益 × 100

配当性向 見方
30〜40% 無理のない水準
60〜80% 高め。減益に弱い
100%超 利益より多く配っている

100%を超えているのは、貯金を取り崩して配っている状態です。これをタコ足配当といいます(タコが自分の足を食べることから)。長くは続きません。

2. 営業キャッシュフローと比べる。

利益は会計上の数字です。配当は現金で払います。

確認 見方
営業CF > 配当総額 本業の現金でまかなえている
営業CF < 配当総額 借入や資産売却で払っている可能性

3. 過去の配当の推移を見る。

推移 見方
増配を続けている 配当を重視する姿勢がある
横ばい 安定しているか、増やせないか
過去に減配している また減らす可能性がある

決算短信や有価証券報告書で、数年分さかのぼれます。

そして、この手法そのものの限界も書いておきます。

1. 配当には毎回税金がかかります。

受け取るたびに20.315%です。株価上昇で儲ける場合、売るまで課税されません。配当は毎年課税されるぶん、複利が効きにくくなります。

NISAを使えば非課税になります。高配当株こそNISAで持つ意味が大きいと言えます。

2. 高配当の会社は、成長が止まっていることが多いものです。

利益を配当に回すということは、事業に再投資していないということです。成長する会社は、配当より投資を選びます。

高配当株を集めると、成熟した業種に偏りやすくなります。 金融、通信、商社などです。景気の影響を同じように受けるため、分散したつもりで分散になっていないことがあります。

3. 「利回り○%」は買った時点で決まりません。

配当利回りは買値に対して計算します。しかし将来の配当額は決まっていません。利回り5%で買っても、減配されれば2%になります。

高配当株投資は、楽な手法ではありません。 売る判断がいらない代わりに、その会社が配当を出し続けられるかを見続ける必要があります。

この言葉で、会社を探す

配当利回りが高い会社

株を持っているだけで毎年もらえるお金(配当)が、株価に対して多い順です。

順位会社配当利回り
1 守谷商会 建設業 16.22%
2 東京鐵鋼 鉄鋼 16.11%
3 丸建リース 卸売業 12.33%

2,065社すべてを見る →

利回りが高いのは、株価が下がったからという場合もあります。業績が悪化して株価が下がれば、計算上の利回りは上がります。配当が来年も同じとは限りません。

関連する言葉

  • 配当利回り 今の株価で買った場合、1年でもらえる配当が何%にあたるかを示す数字。
  • 配当性向 会社が稼いだ利益のうち、何%を配当として株主に配ったかを示す割合。
  • 減配(げんぱい) 会社が配当を前年より減らすこと。株価が大きく下がる要因になりやすい。
  • 配当再投資 受け取った配当で同じ株を買い増すこと。差が出るのは後半で、効くまでに時間がかかる。
  • バリュートラップ(割安の罠) 割安に見える株を買ったが、安いのには理由があり、そのまま下がり続けること。
最終更新
2026-09-17