スクリーニング(銘柄の絞り込み)
条件を決めて銘柄を絞る作業。条件を増やすほど「過去に良かった株」に寄っていく。
ひとことで言うと
条件を指定して、たくさんの銘柄から候補を絞り込むことです。
もう少しくわしく
日本の上場企業は約3,900社あります。全部を見ることはできません。
そこで、条件を決めて機械的に絞ります。 これがスクリーニングです。
証券会社のツールや、無料のサイトで使えます。たとえばこう指定します。
| 条件 | 意味 |
|---|---|
| PER 15倍以下 | 利益に対して株価が高すぎない |
| PBR 1.5倍以下 | 純資産に対して高すぎない |
| 自己資本比率 50%以上 | 借金に頼りすぎていない |
| ROE 10%以上 | 資本を活かせている |
これで3,900社が、数十社まで減ります。
大事なのは、ここからが始まりだということです。
スクリーニングは、候補を作る作業であって、選ぶ作業ではありません。
出てきた銘柄を、そのまま買ってはいけません。
実際の数字で見る
条件を足していくと、どれだけ減るか。このサイトが持っているデータで、実際に数えました。
| 条件 | 残る銘柄数 |
|---|---|
| 財務データのある銘柄 | 2,913社 |
| +時価総額100億円以上 | 1,864社 |
| +PER15倍以下 | 832社 |
| +PBR1.5倍以下 | 618社 |
| +自己資本比率50%以上 | 408社 |
| +ROE10%以上 | 147社 |
| +増益 | 111社 |
6つの条件で、2,913社が111社になります。
(金融庁EDINETの財務データとJPXの株価をもとに集計したものです。 株価の日付や集計の時期によって数は変わります。)
ここで気をつけることがあります。条件を足しすぎると、何も残りません。
条件を10個、15個と足していけば、残るのは数社、やがて0社になります。そして多くの人は、そこで条件を緩めます。
残ってほしい銘柄が残るまで、条件を調整する。
これをやると、スクリーニングの意味が消えます。 結論を先に決めて、それに合う条件を探しているだけだからです。
ここに注意
スクリーニングで出てくるのは、すべて「過去の数字」です。
PERもROEも自己資本比率も、すでに発表された決算から計算されます。
| 何を表すか | |
|---|---|
| スクリーニングの結果 | 過去にこうだった会社 |
| 投資で必要なもの | これからどうなるか |
「増益だった」会社は、過去にそうだっただけです。次の期も増える保証はありません。
そして、この点は誰でも見られます。 同じ条件で検索すれば、誰でも同じ20社が出てきます。その情報だけでは、他の人より有利にはなりません。
なお、このサイトのランキングのページも、同じ考え方で作っています。条件で並べ替えたものであって、買ってよい銘柄の一覧ではありません。
では、絞った後に何をするのか。3つあります。
1. なぜその数字になっているのかを調べる。
PERが8倍と低いなら、なぜ低いのかを確かめてください。
| 低い理由 | 見方 |
|---|---|
| まだ知られていない | 見直される余地がある |
| 一度きりの利益で見かけ上低い | 来期は元に戻る |
| 業績の悪化が予想されている | 市場は先を見ている |
2つ目と3つ目なら、安いのには理由があります。これをバリュートラップといいます。
2. 予想か実績かを確かめる。
ツールが表示するPERは、予想PERであることが多いものです。会社の予想が外れれば、その数字は変わります。
3. 数字に出ないものを見る。
決算短信を読み、何をしている会社かを確かめてください。
- 何で稼いでいるのか
- その事業は続くのか
- 特定の取引先に頼りすぎていないか
これはスクリーニングでは分かりません。
もう2つ、実際的な注意があります。
1. 業種によって適正な水準が違います。
PER15倍は、成熟した業種では普通でも、成長業種では割安かもしれません。自己資本比率50%も、銀行のような業種には当てはまりません。
業種を絞ってから条件をかけるほうが、意味のある結果になります。
2. データの日付を確かめてください。
無料のツールでは、財務データが数か月前のことがあります。決算が出た直後は、古い数字で絞り込んでいる可能性があります。
そして、最後にいちばん大事なことを書きます。
スクリーニングは、買う銘柄を見つける道具ではなく、見なくてよい銘柄を外す道具です。
3,900社のうち、自分の条件に合わない3,880社を見なくて済むようにする。残った20社を、時間をかけて調べる。
絞ることが目的ではありません。調べる対象を減らすことが目的です。
関連する言葉
- PER(株価収益率) 会社が1年で稼ぐ利益に対して、株価が何倍かを示す数字。低いほど割安とされる。
- PBR(株価純資産倍率) 会社が持っている正味の財産に対して、株価が何倍かを示す数字。1倍割れは割安とされる。
- ROE(自己資本利益率) 株主から預かったお金を使って、1年でどれだけ利益を出せたかを示す割合。
- 自己資本比率 会社の財産のうち、借金でない部分がどれだけあるかを示す割合。高いほど倒れにくい。
- 予想と実績の違い(予想PERと実績PER) 指標には過去の確定値と会社予想の2種類がある。同じ「PER」でも中身が違う。
- 最終更新
- 2026-09-17