配当再投資
受け取った配当で同じ株を買い増すこと。差が出るのは後半で、効くまでに時間がかかる。
ひとことで言うと
受け取った配当を使わずに、同じ株を買い増すことです。
もう少しくわしく
配当をもらうと、口座に現金が入ります。その使い道は2つです。
| 選択 | その後 |
|---|---|
| 使う | 現金として手元に残る |
| 同じ株を買い増す | 持ち株が増える |
後者を配当再投資といいます。
持ち株が増えれば、次の年にもらえる配当も増えます。 その配当でまた買い増せば、さらに増えます。
これが複利です。
図を見てください。最初の数年はほとんど差がありません。 差が目に見えるのは後半です。
ここが、この仕組みの最も大事な性質です。
効くまでに時間がかかります。
実際の数字で見る
元本100万円、株価が年2%成長し、配当利回りが年3%の株を20年持ったとします。
| 20年後 | |
|---|---|
| 配当を受け取って使う | 221万円(株式149万円+受取配当73万円) |
| 配当を再投資する | 265万円 |
| 差 | 44万円 |
同じ株、同じ期間です。 違いは配当の扱いだけで、44万円の差がつきます。
ただし、途中経過を見てください。
| 再投資しない | 再投資する | 差 | |
|---|---|---|---|
| 5年後 | 126万円 | 128万円 | 2万円 |
| 10年後 | 155万円 | 163万円 | 8万円 |
| 20年後 | 221万円 | 265万円 | 44万円 |
5年目の差は2万円しかありません。 20年間の差44万円のうち、36万円は後半10年で生まれています。
「複利はすごい」と言われますが、すごくなるまでが長いのです。3年や5年で効果を期待すると、必ず失望します。
ここに注意
配当には税金がかかります。ここで再投資の効率が落ちます。
配当を受け取るたびに、20.315%が引かれます。
| 金額 | |
|---|---|
| 配当(税引前) | 30,000円 |
| 税金 | −6,094円 |
| 再投資できる額 | 23,906円 |
8割しか再投資に回せません。 上の計算は税を考えない単純な例なので、実際の差はこれより小さくなります。
対処は1つあります。
NISAの口座で持てば、配当も非課税です。
NISAなら3万円が丸ごと再投資に回せます。再投資を前提にするなら、NISAで持つ意味は大きくなります。
もう3つ、実際的な注意があります。
1. 配当が出続ける保証はありません。
上の計算は「利回り3%が20年続く」という前提です。減配も無配もあります。 業績が悪化すれば、配当は真っ先に削られます。
2. 少額では買い増せません。
配当が3万円入っても、株価が2,000円なら100株で20万円です。買えません。
対処は2つあります。
| 方法 | 中身 |
|---|---|
| 単元未満株を使う | 1株から買える。手数料は割高なことがある |
| 投資信託を使う | 分配金を自動で再投資する商品がある |
投資信託には、分配金を出さずに内部で再投資するタイプがあります。この場合、受け取っていないのでその時点では課税されません。 再投資の効率はこちらのほうが高くなります。
3. 同じ株に集中していきます。
配当再投資を続けると、その銘柄の比率がどんどん上がります。 気づくと資産の大半が1社になっていることがあります。
配当が多い会社ほど買い増す額も大きくなるので、自動的に偏っていきます。 定期的にリバランスして、配分を確かめてください。
最後に、この手法の位置づけです。
配当再投資は、増やす手法ではなく、続ける手法です。
20年という時間が必要です。その間、株価が半分になる時期もあります。そこで売ってしまえば、複利は働きません。
必要なのは、判断の鋭さではなく、持ち続けられる金額で始めることです。
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- 最終更新
- 2026-09-17