ボックス相場(レンジ相場)
決まった上下の幅を行き来する形。抜けたときに動きが大きくなりやすい。
ひとことで言うと
上と下の決まった幅の中を、株価が行ったり来たりする状態です。
もう少しくわしく
レンジ相場、もみ合いとも呼ばれます。
上の水準が抵抗線、下の水準が支持線として働いている状態です。
なぜこうなるのか。そこに売りたい人と買いたい人がいるためです。
| 水準 | そこにいる人 |
|---|---|
| 上限(120円) | この値段なら売りたい人 |
| 下限(100円) | この値段なら買いたい人 |
株価が120円に近づくと売りが出て、押し戻されます。100円に近づくと買いが入り、支えられます。これが繰り返されます。
そして、いつかどちらかに抜けます。
抜けたときに動きが大きくなりやすい理由があります。
幅の中で売買していた人が、反対の行動をとるためです。
120円で売っていた人は、上に抜けると買い戻します。その買いで、さらに上がります。
実際の数字で見る
100円から120円のボックスを想定します。幅は20円です。
幅の中での売買を考えます。
| 買値 | 売値 | 利益 | |
|---|---|---|---|
| 1往復 | 102円 | 118円 | 16円(15.7%) |
うまくいけば15.7%です。しかし、抜けたときの損失を見てください。
| 起きること | |
|---|---|
| 118円で売った(空売り) | |
| 上に抜けて140円になった | −22円(−18.6%) |
1回の失敗で、1往復分の利益が消えます。
そして、ボックスがいつ終わるかは分かりません。 5回うまくいっても、6回目に抜ければ終わりです。
抜けた後の値幅の目安として、ボックスの幅を足すという見方があります。
| 計算 | |
|---|---|
| ボックスの幅 | 120 − 100 = 20円 |
| 上に抜けた場合の目安 | 120 + 20 = 140円 |
根拠のある計算ではありません。 ダブルボトムや三尊天井と同じく、経験則として語られてきたものです。
ここに注意
抜けたように見えて戻る「だまし」が、この形では特に多く起きます。
理由があります。多くの人が同じ水準を見ているためです。
120円を少し超えたところに、買い注文と、空売りの損切り注文が集まっています。誰かが少し買い上げるだけで、それらが次々と執行され、一時的に値が飛びます。
しかしその後、買う人がいなければ元に戻ります。 飛びついた人だけが高値をつかみます。
確かめる材料は2つです。
1. 出来高が伴っているか。
| 読み方 | |
|---|---|
| 出来高が大きく増えて抜けた | 本物の可能性 |
| 出来高が細いまま抜けた | だましの可能性 |
2. 抜けた後、その水準を維持しているか。
抜けた日の終値が上限より上にあるか。翌日も上にあるか。数日待って確かめるほうが安全です。
早く入れば安く買えますが、だましをつかみます。待てば高くなりますが、確実性は上がります。 どちらを選ぶかを、先に決めておいてください。
もう2つ、注意点があります。
1. ボックスの上限と下限は、後から決めています。
「100円から120円のボックス」と言えるのは、何度か往復した後です。1往復しただけでは、それがボックスかどうか分かりません。
2. 抜ける方向は分かりません。
上に抜けるか下に抜けるかは、この形からは判断できません。 「上限に近づいているから上に抜ける」ということはありません。
方向を知るには、なぜ幅の中にいるのかを考える必要があります。
| 理由 | その後 |
|---|---|
| 材料待ち(決算・発表) | 材料が出た方向に動く |
| 業績が横ばい | 業績が動くまで続く |
| 大株主が売っている | 売り終わるまで上がらない |
チャートの形は、理由を教えてくれません。 適時開示や決算を確かめてください。
最後に、実際的な話です。
ボックス相場は、待つのに向いた時期です。
幅の中で何度も売買すると、手数料と税金だけがかさみます。 1往復15.7%といっても、それは上限と下限をぴったり取れた場合の話です。
休むも相場という言葉のとおり、抜けるまで見ているのも1つの判断です。
関連する言葉
- 最終更新
- 2026-09-17