上方修正・下方修正
会社が期の途中で業績見通しを変えること。決算発表そのものより株価が動くことがある。
ひとことで言うと
会社が「今期の見込みを変えます」と発表することです。上向きが上方修正、下向きが下方修正です。
もう少しくわしく
上場会社は年度の初めに、「今期はこれくらいの売上と利益になる見込みです」という業績予想を公表します。
ところが1年は長く、見込みどおりに進むとは限りません。予想と実際のずれが一定の大きさを超えたとき、会社は速やかに予想を修正して公表する義務があります。
東京証券取引所が定める目安は次のとおりです。
| 項目 | 修正が必要になるずれ |
|---|---|
| 売上高 | 10%以上 |
| 営業利益・経常利益・当期純利益 | 30%以上 |
つまり修正の発表は、会社の気まぐれではなくルールにもとづいた開示です。
- 上方修正 … 見込みより良くなった。株価は上がりやすい
- 下方修正 … 見込みより悪くなった。株価は下がりやすい
修正は取引時間が終わった後、適時開示として公表されるのが一般的です。
実際の数字で見る
営業利益の予想を100億円としていた会社が、期の途中で修正したとします。
| 修正の内容 | 新しい予想 | ずれ | 株価の傾向 |
|---|---|---|---|
| 上方修正 | 140億円 | +40% | 翌日に急騰しやすい |
| 下方修正 | 65億円 | -35% | 翌日に急落しやすい |
下方修正が発表されると、翌朝は売り注文が殺到して値がつかないことがあります。値がつかないまま気配が下がり続け、ストップ安(1日の値下がり幅の限度)で終わることもあります。
このとき、損切りの注文を出していても約定しません。 買う人がいないためです。
ここに注意
上方修正でも株価が下がることがあります。理由は、上げ幅が期待に届かなかったときです。
市場が「そろそろ上方修正が出るだろう。営業利益150億円くらいか」と見込んでいたとします。実際に発表されたのが140億円だった場合、上方修正であるにもかかわらず売られます。
株価は発表の内容そのものではなく、期待との差で動くためです。
もう一つ、下方修正には繰り返す傾向があります。
業績が悪化するときは、一度で底を打つことは多くありません。第2四半期で下方修正し、第3四半期でさらに下方修正する。こうした例は珍しくありません。
「下方修正で下がったから、そろそろ買い時だ」と考えるのは危険です。悪い材料が出尽くしたかどうかは、そのときには分かりません。
最後に、当サイトの姿勢を書いておきます。
上方修正・下方修正は、発表された瞬間に株価へ反映されます。 個人投資家が発表を見てから注文を出す時点で、価格はすでに動いた後です。
したがって当サイトは、発表に反応して売買することを勧めていません。 修正の履歴は、その会社が見込みを立てるのが上手いか下手かを知るための材料として使うほうが有用です。毎年のように下方修正する会社は、公表する予想の信頼性が低いということになります。
関連する言葉
- 最終更新
- 2026-09-16