売上高
会社が1年で売った金額の合計。利益ではないので、ここから費用を引く必要がある。
ひとことで言うと
会社が1年間で売った金額の合計です。ここから費用を引いていくと、利益が出ます。
もう少しくわしく
ラーメン屋が1年間で1万杯を売り、1杯900円だったとします。
売上高 = 900円 × 10,000杯 = 900万円
これが売上高です。トップラインとも呼ばれます。損益計算書の一番上に書かれるためです。
ここで最も重要な点を押さえてください。
売上高は、儲けではありません。
900万円のうち、麺やスープの材料費、家賃、光熱費、従業員の給料が出ていきます。残ったものが利益です。売上900万円でも、費用が920万円なら赤字です。
損益計算書は、上から順に費用を引いていく構造になっています。
| 順番 | 項目 | 何を引いたか |
|---|---|---|
| 1 | 売上高 | - |
| 2 | 売上総利益(粗利) | 材料の原価 |
| 3 | 営業利益 | 人件費、家賃などの経費 |
| 4 | 経常利益 | 利息など、本業以外の収支 |
| 5 | 当期純利益 | 税金、臨時の損益 |
ニュースで「売上高が過去最高」と報じられても、利益が出ているかは別の話です。
実際の数字で見る
売上高が増えているのに、利益が減っている例です。
| 前期 | 今期 | 増減 | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 800億円 | 920億円 | +15% |
| 売上原価 | 560億円 | 700億円 | +25% |
| 営業利益 | 80億円 | 55億円 | -31% |
売上は15%伸びました。しかし原価が25%増えたため、営業利益は31%減っています。
原材料費が上がったのに、販売価格に転嫁できなかった。こうした状況で起きる形です。
売上高だけを見ていると、この悪化に気づけません。
ここに注意
売上高の大きさと、投資先としての良さは関係ありません。
売上高が1兆円でも、利益が10億円しか残らない会社があります。売上高が100億円で、利益が20億円出る会社もあります。後者のほうが、はるかに効率よく稼いでいます。
売上高を見るときは、必ず営業利益率とあわせてください。
営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100
これが「売上100円のうち、何円が本業の儲けとして残るか」を表します。
もう一点、成長を見るときの注意があります。
売上高が増えた理由を確かめてください。 理由によって意味がまったく違います。
| 増えた理由 | 評価 |
|---|---|
| 商品が多く売れた | 良い |
| 値上げが受け入れられた | 良い |
| 会社を買収して合算した | 判断保留。中身の成長ではない |
| 円安で海外売上が円換算で膨らんだ | 判断保留。実態は変わっていない |
とくに最後の2つは、日本の輸出企業でよく起きます。売上高が20%増えていても、為替の影響を除けば横ばいということがあります。
決算短信には、こうした内訳が説明されています。数字だけでなく、その隣の文章も読んでください。
この数字を、実際の上場企業で見る
いま決算の数字がそろっている上場企業3,641社で見ると、売上高の真ん中(中央値)は313.5億円です。
半分の会社が89億円から1,192.2億円のあいだに入っています。
業種によって「ふつう」が違う
売上高の中央値が高い業種と低い業種です(売上高が出ている会社が10社以上ある業種のみ)。 同じ数字でも、業種によって高い・低いの意味が変わります。
| 業種 | 中央値 | 社数 |
|---|---|---|
| 陸運業 | 2,672.9 億円 | 56社 |
| 電気・ガス業 | 2,201.8 億円 | 27社 |
| 非鉄金属 | 1,890.9 億円 | 32社 |
| ⋮ | ||
| 情報・通信業 | 71.9 億円 | 596社 |
| サービス業 | 115.1 億円 | 525社 |
| 医薬品 | 135.3 億円 | 66社 |
よく知られた会社は、どのあたりにいるか
時価総額の大きい順に5社。業績の良し悪しで選んだものではありません。
| 会社 | 売上高 | 全体の中での位置 |
|---|---|---|
| トヨタ自動車 | 50.7 兆円 | 上位1% |
| 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 14.6 兆円 | 上位1% |
| リクルートホールディングス | 3.7 兆円 | 上位1% |
| ソフトバンクグループ | 7.8 兆円 | 上位1% |
| アドバンテスト | 1.1 兆円 | 上位5% |
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- 最終更新
- 2026-09-16