株を学ぶ / 相場の俗語
仕手株
特定の勢力が意図的に株価を吊り上げる銘柄。乗った個人が最後に残される。
ひとことで言うと
特定の勢力が意図的に買い集めて株価を吊り上げ、高値で売り抜ける銘柄のことです。
もう少しくわしく
「仕手」とは、能の主役を指す言葉です。相場を動かす主役という意味で使われます。
仕手筋が狙う銘柄には、共通する特徴があります。
| 特徴 | 理由 |
|---|---|
| 時価総額が小さい | 少ない資金で株価を動かせる |
| 売買が少ない | 買い集めても目立たない |
| 株価が低い | 個人が買いやすく、人が集まる |
| 業績が悪い | 材料が出れば「変わるかも」と期待される |
手口はおおむねこうです。
- 静かに買い集める(株価はまだ動かない)
- 一気に買い上げる → 株価が急騰
- 掲示板やSNSで話題になる → 個人が集まる
- 集まった買いに向けて売り抜ける
- 買い支えが消え、急落
最後に持っている人が損をする構造です。
実際の数字で見る
| 日 | 株価 | 出来高 | 何が起きているか |
|---|---|---|---|
| 0日目 | 180円 | 5万株 | 静かに買い集め |
| 5日目 | 240円 | 80万株 | 急騰が始まる |
| 8日目 | 520円 | 420万株 | 話題になり個人が殺到 |
| 10日目 | 610円 | 380万株 | 売り抜けが始まる |
| 14日目 | 290円 | 160万株 | 急落 |
| 20日目 | 195円 | 22万株 | ほぼ元の水準 |
8日目に520円で買った人は、20日目に62%の損を抱えています。
一方、180円で買い集めた側は、600円前後で売り抜けています。この差が、そのまま個人から仕手筋へ移った金額です。
ここに注意
仕手株を見分ける確実な方法はありません。しかし、近づかない方法はあります。
見分けようとするのではなく、条件で除外してください。
- 時価総額が小さすぎる銘柄を買わない
- 理由の分からない急騰に乗らない
- SNSや掲示板で名前を見た銘柄を、それだけで買わない
この3つを守れば、仕手株に巻き込まれることはほぼありません。
当サイトが時価総額100億円以上に絞っているのは、この理由もあります。 仕手の対象になるのは、多くが時価総額100億円未満の銘柄です。規模が大きくなるほど、少数の資金では動かせなくなります。
もう一つ、法律の面から重要な点があります。
株価を意図的に操作する行為は、相場操縦として金融商品取引法で禁じられています。
- 見せかけの注文を出して、売買が活発に見せる
- 複数の口座で売買し合って、出来高を作る
- 根拠のない情報を流して買いを誘う
これらは犯罪です。10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金が定められています。
しかし、摘発されるのは事後です。 その頃には、乗った個人の損は確定しています。
最後に、最も危険な考え方について書いておきます。
「仕手株と分かった上で、早めに降りれば勝てる」と考える人がいます。
これは成り立ちません。理由は2つです。
- いつ売り抜けが始まるかは、仕掛けた側しか知らない
- 急落時は買い手が消え、売りたくても売れない
関連する言葉
- イナゴ 話題になった銘柄に短時間で群がり、急騰させてすぐ去っていく投資家たちのこと。
- 提灯(ちょうちん) 誰かの買いに乗って、後から追いかけて買うこと。灯りが消えると暗闇に取り残される。
- 流動性 売りたいときに売れるかどうかの度合い。低い銘柄は、自分の注文で株価が動いてしまう。
- 高値掴み(たかねづかみ) 株価が一番高いところで買ってしまい、その後の下落に巻き込まれること。
- 最終更新
- 2026-09-16