提灯(ちょうちん)
誰かの買いに乗って、後から追いかけて買うこと。灯りが消えると暗闇に取り残される。
ひとことで言うと
誰かが買って上がり始めた株に、後から乗って買うことです。
もう少しくわしく
提灯をつける、提灯買いとも言います。
語源は、江戸時代の夜道です。明かりを持って歩く人の後ろを、自分では明かりを持たずについて行く。その姿を指した言葉です。
株の世界では、次のような行動を指します。
- 大口の投資家が買い始めた
- 株価が上がり出した
- それを見て、後から買う
自分で会社を調べたわけではありません。上がっているという事実だけを理由に買っています。
提灯が問題なのは、先頭を歩く人がいつ止まるか分からないことです。
大口が買うのをやめ、売りに回れば、明かりは消えます。そのとき提灯をつけた人は、どこにいるか分からないまま暗闇に取り残されます。
「提灯が外れる」「提灯を外される」という言い方もあります。先導していた買いが消え、追随した人だけが高値で残る状態です。
実際の数字で見る
提灯買いの典型的な経過です。
| 日 | 株価 | 何が起きているか |
|---|---|---|
| 1日目 | 800円 → 880円 | 大口の買いが入る |
| 2日目 | 880円 → 1,050円 | SNSで話題になる |
| 3日目 | 1,050円 → 1,280円 | 提灯が集まる |
| 4日目 | 1,280円 → 1,150円 | 先頭が売り抜ける |
| 7日目 | 810円 | ほぼ元の水準へ |
3日目に1,280円で買った人は、1週間後に37%の含み損を抱えます。
上がった理由を知らないまま買ったため、いつ売るべきかも判断できません。 下がっても「また上がるはず」と考え、そのまま持ち続けることになります。
ここに注意
提灯買いの本当の問題は、株価ではなく「売る理由を持てないこと」です。
自分で調べて買った株なら、売る理由を説明できます。
- 業績が想定より悪化したから
- 目標の水準に達したから
- 買った前提が崩れたから
提灯買いでは、これができません。買った理由が「上がっていたから」であるため、下がったときに判断の基準がありません。
結果として、次のどちらかになります。
似た言葉にイナゴがあります。両者の違いは次のとおりです。
| 言葉 | 意味合い |
|---|---|
| 提灯 | 大口や有力な投資家の後追い。江戸期からの古い言葉 |
| イナゴ | SNSや掲示板の話題に群がる。インターネット以降の言葉 |
どちらも「自分で判断していない」という点は共通しています。
なお、「上がっている株を買う」こと自体が常に誤りというわけではありません。上昇の理由を自分で確かめ、その理由が続くと判断したなら、それは順張りという立派な手法です。
提灯と順張りを分けるのは、理由を知っているかどうかです。
上がっている株を見つけたら、買う前に一度止まって調べてください。決算はどうか。何が起きて上がっているのか。 それが分からないなら、その株は見送ってください。
急いで乗らなければ損をする、という感覚こそが提灯の入口です。
関連する言葉
- イナゴ 話題になった銘柄に短時間で群がり、急騰させてすぐ去っていく投資家たちのこと。
- 高値掴み(たかねづかみ) 株価が一番高いところで買ってしまい、その後の下落に巻き込まれること。
- 押し目(おしめ) 上昇が続いている途中で起きる、一時的な下げのこと。買いの機会とされる。
- 狼狽売り(ろうばいうり) 株価の急落に慌てて、冷静な判断をせずに売ってしまうこと。
- 最終更新
- 2026-09-16