流動性
売りたいときに売れるかどうかの度合い。低い銘柄は、自分の注文で株価が動いてしまう。
ひとことで言うと
売りたいときに、希望する値段で売れるかどうかの度合いです。
もう少しくわしく
駅前のコンビニと、山奥の無人販売所。同じ商品を売っていても、買い手が見つかる速さはまるで違います。
株にも同じ差があります。買いたい人・売りたい人が常に大勢いる銘柄と、1日に数人しか売買しない銘柄があります。前者を「流動性が高い」、後者を「流動性が低い」と言います。
流動性の高さは、主に1日の売買代金で測ります。
| 1日の売買代金 | 状態 |
|---|---|
| 10億円以上 | 高い。まとまった株数でも問題なく売買できる |
| 1億円前後 | 普通。個人の売買なら支障は少ない |
| 1,000万円未満 | 低い。売りたいときに売れないことがある |
流動性が低い銘柄では、自分の注文そのものが株価を動かします。
実際の数字で見る
1日の売買代金が500万円の銘柄で、100万円分を売ろうとした場合を考えます。
板(買い注文の一覧)がこうなっていたとします。
| 買いたい値段 | 株数 | 金額 |
|---|---|---|
| 1,000円 | 300株 | 30万円 |
| 995円 | 200株 | 19.9万円 |
| 980円 | 500株 | 49万円 |
1,000円で売れるのは300株だけです。残りを売るには、995円、980円と値を下げていくしかありません。
結果として、株価は1,000円のつもりが平均988円になります。しかも売り終えた時点で、株価は980円まで下がっています。
100万円ですら、この影響が出ます。
ここに注意
買うときは気づきません。売るときに初めて問題になります。
流動性が低い銘柄は、少しの買いで株価が上がります。上がりやすいと感じるため、魅力的に見えることがあります。
しかし同じ構造は、下げるときにも働きます。少しの売りで急落します。 そして悪い材料が出たとき、全員が同時に売ろうとします。
このとき起きるのが、買い手がまったくいない状態です。値段が付かず、注文は成立しません。翌日も、その翌日も下がり続けます。損切りの注文を出していても、約定しません。
「損切りすれば大丈夫」という前提は、買ってくれる人がいることを前提にしています。 流動性が低い銘柄では、その前提が崩れます。
当サイトが分析対象を時価総額100億円以上の銘柄に絞っているのは、この理由です。分析としてどれほど魅力的でも、実際に売買できない銘柄を並べることに意味はありません。
個別の銘柄を見るときは、出来高を必ず確認してください。数字が小さい銘柄は、いくら指標が良くても慎重に扱うべきです。
なお、流動性は常に一定ではありません。普段は活発な銘柄でも、決算の直後や悪材料が出た直後は、一時的に買い手が消えることがあります。
関連する言葉
- 出来高(できだか) その日に売買が成立した株数。関心の大きさを表し、株価の動きの信頼度を測る材料になる。
- 板(いた) 買いたい人と売りたい人の注文が、値段ごとに並んでいる一覧表のこと。
- 時価総額 株価に発行済みの株数をかけた金額。その会社全体を今の値段で買うときの総額。
- プライム・スタンダード・グロース 東京証券取引所の3つの市場区分。会社の規模と成熟度で分かれており、リスクの性格が違う。
- 最終更新
- 2026-09-16