金融商品取引法
投資家を守るための基本の法律。開示義務、インサイダー規制、無登録業者の禁止などを定める。
ひとことで言うと
投資家を守るために、会社や証券会社が守るべきことを決めた法律です。
もう少しくわしく
略して金商法と呼ばれます。2007年に、それまでの証券取引法を大きく改めてできました。
この法律がめざしているのは、次の1点です。
情報の差で、一方的に損をする人が出ないようにする。
株式投資は、会社の中のことを知らない人が、会社の中を知っている人から株を買ったり売ったりする取引です。そのままでは、知っている側が必ず勝ちます。
そこで法律は、大きく3つのことを決めています。
| 決めていること | 中身 |
|---|---|
| 情報を出させる | 会社に有価証券報告書や適時開示を義務づける |
| ずるを禁じる | インサイダー取引、相場操縦、風説の流布を禁止する |
| 業者を管理する | 証券会社や助言業者を登録制にする |
3つ目が、個人にとって特に大事です。
お金を取って「この株を買え」と言う仕事は、登録がなければできません。 これを投資助言・代理業といいます。
実際の数字で見る
違反したときの罰則を見ます。これは重い犯罪です。
| 違反 | 個人の罰則 | 法人の罰則 |
|---|---|---|
| インサイダー取引 | 5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金 | 5億円以下 |
| 相場操縦 | 10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金 | 7億円以下 |
| 無登録での営業 | 5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金 | 5億円以下 |
拘禁刑と罰金は、両方が科されることもあります。
さらに、これとは別に課徴金という制度があります。違反で得た利益を国に納めさせる仕組みです。罰則とは別に課されます。
「知らなかった」では済みません。インサイダー取引は、会社の同僚や家族から聞いた話で売買しただけでも成立します。
ここに注意
この法律を知らないと、詐欺に遭います。ここが一番実用的な点です。
お金を取って銘柄を教える行為には、登録が必要です。登録のない業者は、それだけで違法です。
しかし世の中には、無登録のまま次のようなことをする人がいます。
- SNSやメールで「この銘柄が上がる」と有料で教える
- 投資グループの会費を取り、売買の指示を出す
- 「元証券会社の私が教えます」と個別に指導する
これらは、登録がなければ金商法違反です。
確かめる方法があります。
金融庁のサイトで、登録業者の一覧を検索してください。
金融庁は「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」を公開しています。ここに載っていなければ、無登録です。
さらに、金融庁は「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等」という警告リストも公開しています。
そして重要なことがあります。
無登録業者に預けたお金は、投資者保護基金の対象外です。
証券会社が破綻したときに補償される仕組みがありますが、それは登録業者だけが対象です。無登録業者に渡したお金は、戻ってきません。
「必ず儲かる」「元本保証で高利回り」といった言葉が出てきたら、その時点で登録を確認してください。 登録業者であれば、そもそもそういう言い方はしません。断定的な表現で勧誘すること自体が、金商法で禁じられているためです。
関連する言葉
- インサイダー取引 公表前の重要情報を知って売買する犯罪。知人から聞いた場合も処罰の対象になる。
- 適時開示 会社が重要な情報をその都度公表する制度。株価に影響する発表は、必ずここを通る。
- 有価証券報告書 年に一度、監査を受けて提出される会社の正式な報告書。数字の信頼性が最も高い資料。
- 投資者保護基金 証券会社が破綻したとき、1,000万円まで補償する仕組み。貸株は対象外。
- 証券取引等監視委員会 市場の不正を調べる組織。自ら罰は下さず、金融庁への勧告と検察への告発を行う。
- 最終更新
- 2026-09-17