EPS(1株あたり利益)
会社の利益を株の数で割った数字。株1つが1年でいくら稼いだかを表す。
ひとことで言うと
株を1つ持っていると、会社が1年で自分の分としていくら稼いでくれたかを表します。
もう少しくわしく
10人で共同経営するラーメン屋を考えます。1年で500万円の利益が出ました。全員が同じ出資額なら、1人あたりの取り分は50万円です。
株も同じ考え方です。会社の利益を、発行されている株の数で割る。それがEPSです。
EPSは、PERを計算するための材料でもあります。株価をEPSで割ればPERが出ます。
EPSが毎年伸びている会社は、1株あたりの稼ぐ力が着実に増えているということです。株価は長期的にはEPSの動きについていく傾向があるため、株を見るうえで基本の数字になります。
実際の数字で見る
| 当期純利益 | 100億円 |
| 発行済株式数 | 5,000万株 |
| EPS(100億 ÷ 5,000万) | 200円 |
株を1つ持っていれば、会社は1年で200円分を稼いだことになります。
ここに注意
EPSは、会社が株を増やしたり減らしたりするだけで動きます。
利益が同じでも、新しく株を発行(増資)すれば、分け合う人数が増えるのでEPSは下がります。これを希薄化と呼びます。逆に会社が自社株買いをして株を減らせば、EPSは上がります。
つまり EPSが上がった=事業が好調、とは限りません。 増えた理由が「利益が伸びたから」なのか「株数が減ったから」なのかを確認してください。
また、利益には一度きりのものが混ざります。 保有していた土地や株を売った利益も当期純利益に入ります。その年だけEPSが跳ね上がり、翌年に戻る、ということが普通に起こります。
この数字を、実際の上場企業で見る
いま決算の数字がそろっている上場企業3,659社で見ると、EPSの真ん中(中央値)は96.0円です。
半分の会社が31.8円から195.1円のあいだに入っています。
極端に大きい・小さい値の会社(上下5%ずつ、計366社)は、図が読めなくなるため図からは外しています。上の中央値や範囲には含めています。
業種によって「ふつう」が違う
EPSの中央値が高い業種と低い業種です(EPSが出ている会社が10社以上ある業種のみ)。 同じ数字でも、業種によって高い・低いの意味が変わります。
| 業種 | 中央値 | 社数 |
|---|---|---|
| ゴム製品 | 259.9 円 | 16社 |
| 海運業 | 210.4 円 | 11社 |
| 陸運業 | 192.0 円 | 56社 |
| ⋮ | ||
| 医薬品 | -2.8 円 | 79社 |
| 情報・通信業 | 47.7 円 | 597社 |
| サービス業 | 60.6 円 | 526社 |
よく知られた会社は、どのあたりにいるか
時価総額の大きい順に5社。業績の良し悪しで選んだものではありません。
| 会社 | EPS | 全体の中での位置 |
|---|---|---|
| トヨタ自動車 | 295.2 円 | 上位13% |
| 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 213.2 円 | 上位22% |
| リクルートホールディングス | 349.8 円 | 上位9% |
| ソフトバンクグループ | 873.5 円 | 上位1% |
| アドバンテスト | 515.1 円 | 上位4% |
関連する言葉
- PER(株価収益率) 会社が1年で稼ぐ利益に対して、株価が何倍かを示す数字。低いほど割安とされる。
- BPS(1株あたり純資産) 会社を今たたんだとき、株1つに割り当てられる財産の額。PBRを計算するもとになる。
- 配当性向 会社が稼いだ利益のうち、何%を配当として株主に配ったかを示す割合。
- 最終更新
- 2026-09-16