カブシルベ KABUSHIRUBE
株を学ぶ / 相場の俗語

確証バイアス

自分の考えに合う情報ばかり集める性質。持っている株ほど良い情報が目に入る。

ひとことで言うと

自分が正しいと思う話ばかりが目に入り、反対の話が入ってこなくなる性質です。

もう少しくわしく

人は、自分の考えを支える情報を優先して集めます。 そして、反対する情報を軽く扱います。

株では、こう現れます。

場面 起きること
ある株を買った後 その会社に好意的な記事ばかり目に入る
悪いニュースが出た 「一時的だ」「織り込み済みだ」と解釈する
良いニュースが出た 「やはり正しかった」と確信が強まる

厄介なのは、情報を探しているつもりになっていることです。

調べてはいます。しかし探し方が偏っています。

「〇〇株 買い」と検索して、「〇〇株 危険」とは検索しない。

同じ会社について、出てくる結果はまるで違います。どちらを打ったかで、見える世界が変わります。

実際の数字で見る

この性質は、SNSの仕組みによって強められます。

SNSは、あなたが反応した投稿に似たものを優先して表示します。

順番 起きること
1 ある銘柄を買う
2 その銘柄の良い投稿に「いいね」を押す
3 似た投稿がもっと表示される
4 「皆が期待している」と感じる
5 さらに買い増す

実際には、あなたが選んだ情報を見せられているだけです。世間の意見ではありません。

数字で考えます。ある銘柄について、世の中の意見が強気3割・弱気7割だったとします。

目に入る割合
実際の分布 強気30% / 弱気70%
偏った探し方をした後 強気80% / 弱気20%

世間が弱気なのに、自分には強気に見えます。

この状態で「皆が期待しているから買おう」と判断すると、逆の方向に賭けることになります。

株クラの記事で書いた生存者バイアスと、この確証バイアスが重なると、偏りはさらに強まります。

ここに注意

「調べた」と「都合のいい情報を集めた」を、自分では区別できません。

だから、探し方そのものを変える必要があります。

1. 反対の材料を先に探してください。

買いたい銘柄を見つけたら、まず「この会社が下げるとしたら何が起きたときか」を調べます。

調べること
主要な取引先に依存していないか
競合が新しい製品を出していないか
有利子負債は増えていないか
過去に予想を外していないか

そのうえで「それでも買いたいか」を考えます。順番が大事です。 買うと決めてから反対材料を探すと、全部「一時的だ」で片付けてしまいます。

2. 売る条件を先に書いておいてください。

書いておくこと
営業利益が2期続けて減ったら売る
主要取引先との契約が切れたら売る
創業者が退任したら見直す

具体的に書いておけば、その事実が起きたときに言い訳ができません。

書いていないと、何が起きても「まだ大丈夫」と解釈できてしまいます。

3. 一次資料を読んでください。

他人の意見は、その人の立場が入っています。決算短信と有価証券報告書には、会社が出した事実が書かれています。

特に有価証券報告書の「事業等のリスク」は、会社自身が不安に思っていることを書いた部分です。良い話を探している人は、ここを読みません。

もう2つ、関連する性質を挙げておきます。

1. サンクコスト(埋没費用)

すでに払って戻らないお金に、判断が引きずられる性質です。

「ここまで下げたのだから、いま売ったら今までが無駄になる」

なりません。 過去に失った分は、いま売っても持ち続けても戻りません。判断に関係ない情報です。

しかし、多く失っているほど、やめられなくなります。 ナンピンを繰り返す心理はここにあります。

2. 後知恵バイアス

結果を知った後で「そうなると思っていた」と感じる性質です。

暴落した後に「危ないと思っていた」と感じる。本当にそう思っていたなら、売っていたはずです。

これがあると、自分の判断力を過大評価します。次はもっと大きく賭けたくなります。

そのうえで、いちばん実行しやすい対処を書いておきます。

買った理由と、売る条件を、買った日に書いておく。

これだけで、確証バイアスもアンカリングもサンクコストも、まとめて効きにくくなります。

記録は、未来の自分に対する証人です。 記憶は都合よく書き換わりますが、書いたものは変わりません。

関連する言葉

  • プロスペクト理論 損失を利益の2倍以上の強さで感じる性質。損切りできない理由を説明する。
  • アンカリング 最初に見た数字に判断が引きずられる性質。株では買値がその錨になる。
  • 株クラ SNS上の株式投資の人の集まり。役に立つ情報もあるが、無登録の勧誘も混ざる。
  • お祈り 根拠なく上がることを願うだけの状態。判断をやめたときにこうなる。
  • スクリーニング(銘柄の絞り込み) 条件を決めて銘柄を絞る作業。条件を増やすほど「過去に良かった株」に寄っていく。
最終更新
2026-09-18