カブシルベ KABUSHIRUBE
株を学ぶ / 相場の俗語

お祈り

根拠なく上がることを願うだけの状態。判断をやめたときにこうなる。

ひとことで言うと

根拠もないまま、上がることをただ願っている状態を指す言葉です。

もう少しくわしく

「お祈りタイム」「祈るしかない」といった形で使われます。多くは自嘲です。

この状態になるまでの流れは、決まっています。

  1. 下がり始める
  2. 「戻るだろう」と待つ
  3. さらに下がる。なぜ下がったか調べない
  4. 損が大きくなり、売れなくなる
  5. 上がることを願うだけになる

3番目が分かれ目です。下がった理由を調べれば、判断に戻れます。

調べた結果 できる判断
業績は悪くない。市場全体の下げだった 持ち続ける理由がある
業績が悪化していた 売る理由がある
不正が発覚していた すぐ売る

調べないから、判断できません。判断できないから、祈るしかなくなります。

実際の数字で見る

お祈りの状態が長引くと、何が起きるかを示します。

金額
買値 100万円
3か月後 68万円(-32%)
1年後 51万円(-49%)
3年後 44万円(-56%)

3年間、44万円が動かないまま拘束されました。

この間、同じ資金を別の場所に置いていれば違う結果になった可能性があります。失っているのは56万円だけでなく、3年という時間です。

そして最も重い損失は、次の点です。

この3年で、何も学んでいません。 判断をしていないため、次に活かせる経験が残りません。

ここに注意

お祈りは、性格の問題ではありません。金額が大きすぎたことの結果です。

冷静な人でも、資産の大半を1銘柄に投じていれば、下げたときに冷静ではいられません。判断できる金額かどうかが先にあります。

投じた額 -40%のとき 判断できるか
資産の5% 資産の2%減 できる
資産の30% 資産の12%減 苦しい
資産の100% 資産の40%減 ほぼできない

対処は2つあります。

1. 買う前に、売る条件を決めておく。

  • 「買値の10%下で売る」
  • 「営業利益が2期続けて減ったら売る」

決めておけば、下げたときに判断する必要がありません。すでに決めたことを実行するだけです。

2. すでにお祈り状態にあるなら、まず調べる。

売るかどうかを決める前に、次を確認してください。

確認すること どこで見るか
直近の決算 決算短信
業績予想の修正 適時開示
不祥事・訴訟 適時開示
自己資本比率の悪化 有価証券報告書

当サイトの銘柄ページでも、財務データの推移を確認できます。

調べた結果、持ち続ける理由があるなら、それは祈りではなく判断です。理由がないなら、その時点の値段がいくらであれ、売るのが判断です。

最後に、この言葉が教えていることを書いておきます。

願いは、相場に対して何の力も持ちません。

株価を決めるのは、会社の中身と、それに対する市場の評価です。保有者が何を願っているかは、一切関係ありません。

当たり前のことですが、お祈りの状態にある人は、この当たり前を忘れています。

関連する言葉

  • 塩漬け(しおづけ) 損が出た株を売るに売れず、長期間持ち続けてしまう状態のこと。
  • ガチホ 何があっても売らずに持ち続けること。中身を見ずに続けると、ただの塩漬けになる。
  • 損切り(ロスカット) 損が出ている株を売って、損失を確定させること。傷が広がる前に止める行為。
  • 狼狽売り(ろうばいうり) 株価の急落に慌てて、冷静な判断をせずに売ってしまうこと。
最終更新
2026-09-16