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株を学ぶ / 制度・仕組み

無配

配当を出さないこと。業績不振による無配と、成長への再投資による無配はまったく違う。

ひとことで言うと

配当を1円も出さないことです。理由によって、意味は正反対になります。

もう少しくわしく

配当を出さない状態を無配と言います。以前は出していたのにやめる場合は無配転落と呼ばれます。

無配には、性格の違う2種類があります。

種類 理由 評価
成長のための無配 稼いだ現金をすべて事業拡大に回す 前向き
業績不振による無配 配る余裕がない 後ろ向き

前者の代表は、成長途上の企業です。年20%で成長できる事業を持つ会社なら、株主に配るより自社に投じたほうが、株主の利益は大きくなります。

後者は、赤字が続き、手元の現金も乏しい会社です。この場合の無配は、体力が尽きかけている合図です。

同じ「無配」でも、意味がまったく違います。

実際の数字で見る

見分ける方法は、営業利益とフリーキャッシュフローを見ることです。

A社 B社
売上高の伸び +28% -9%
営業利益 +65億円 -40億円
フリーキャッシュフロー -30億円(投資のため) -55億円
配当 無配 無配
自己資本比率 62% 18%

A社は、稼いだ現金を投資に回しているための無配です。財務は健全です。

B社は、本業が現金を失っています。配る原資がありません。

どちらも配当利回りは0%と表示されます。数字だけでは区別できません。

ここに注意

無配転落の発表は、減配よりも株価への影響が大きくなります。

配当を減らす「減配」に対し、ゼロにする「無配」はより強い危険信号と受け取られます。

理由は、無配にする会社の心理にあります。日本の会社は配当の維持を強く意識します。多少苦しくても、内部留保を取り崩してでも配当を続けようとします。 その会社が無配に踏み切ったということは、そこまでする余裕もないという意味になります。

そして無配転落には、もう一つ影響があります。

配当を目的に保有していた投資家が、一斉に売ります。

配当利回り4%を理由に買った人にとって、無配になれば保有する理由が消えます。年金基金など、配当を出す銘柄しか買えない決まりの投資家も売却します。業績の悪化以上に、株価が下がる要因になります。

もう一点、注意すべき点があります。

配当利回り0%の銘柄を、機械的に除外しないでください。

当サイトの配当利回りランキングには、無配の銘柄は載りません。しかしその中には、成長のために配当を出していない会社が含まれています。配当を基準に絞り込むと、成長株が丸ごと視野から外れます。

配当が欲しいのか、値上がりを狙うのか。自分の目的を先に決めてから、指標で絞り込んでください。

関連する言葉

  • 減配(げんぱい) 会社が配当を前年より減らすこと。株価が大きく下がる要因になりやすい。
  • 配当利回り 今の株価で買った場合、1年でもらえる配当が何%にあたるかを示す数字。
  • 配当性向 会社が稼いだ利益のうち、何%を配当として株主に配ったかを示す割合。
  • 成長株(グロース株) 売上と利益が伸び続けている会社の株。期待が高いぶん、失速したときの下げも大きい。
最終更新
2026-09-16