カップウィズハンドル
深い鍋のような形で下げて戻り、小さく押してから上に抜ける形。条件が後付けになりやすい。
ひとことで言うと
取っ手のついたカップのように、丸く下げて戻り、小さく押してから上に抜ける形です。
もう少しくわしく
アメリカの成長株投資の本で紹介され、日本でも知られるようになった形です。
3つの部分からできています。
| 部分 | 中身 |
|---|---|
| カップ(鍋) | 丸く下げて、元の値段まで戻る |
| ハンドル(取っ手) | 小さく押して、横ばいになる |
| 抜け | 取っ手の上を抜けて上げる |
大事なのは、カップの形が丸いことだとされます。
V字に急落して急反発した形は、この形とは区別されます。急な下げと急な戻りは、売りたい人がまだ残っているとされるためです。
丸く時間をかけて戻る形は、売りたい人が少しずつ出尽くしたとされます。
実際の数字で見る
図の値で、条件を確かめます。
| 値段 | |
|---|---|
| カップの縁(左) | 130円 |
| カップの底 | 100円 |
| カップの縁(右) | 130円 |
| 取っ手の底 | 122円 |
カップの深さは 130 − 100 = 30円です。
取っ手の押しは 130 − 122 = 8円です。
割合を出します。
8円 ÷ 30円 = 26.7%
よく言われる条件は、取っ手の押しがカップの深さの3分の1(33%)以内というものです。26.7%はこれに収まっています。
なぜ浅くなければいけないのか。深く押したら、それはもうカップではなく、2つ目の谷だからです。
| 取っ手の押し | 呼び名が変わる |
|---|---|
| 浅い(3分の1以内) | カップウィズハンドル |
| 深い(半分以上) | ダブルトップに近い形 |
同じ値動きでも、押しの深さで呼び名も意味も変わります。
ここに注意
条件が多く、後から当てはめやすい形です。
この形には、本によっていろいろな条件がついています。
| よく言われる条件 | 中身 |
|---|---|
| カップの期間 | 7週間以上 |
| カップの深さ | 高値から12〜33%程度 |
| 取っ手の押し | カップの深さの3分の1以内 |
| 取っ手の出来高 | 減っていること |
条件が4つあれば、過去のチャートから合うものが必ず見つかります。
そして「合わなかったもの」は、形が違ったと言って除かれます。 これでは、この形が効いたかどうかを確かめられません。
もう3つ、注意点があります。
1. 抜けたあとに戻ることがあります。
取っ手の上を抜けても、そのまま下げることがあります。だましです。
この形にかぎった話ではありませんが、条件が多いぶん「形は完璧だったのに」という感想になりやすいのが厄介です。形が完璧でも下げるときは下げます。
2. 上げ相場でよく見つかります。
市場全体が上げているときは、どの銘柄もカップのような形を作ります。形が効いたのか、市場全体が上げただけなのかが区別できません。
3. 元は成長株を対象にした考え方です。
この形が紹介されたのは、売上や利益が伸びている会社を選んだうえで、買う時期を決めるための道具としてでした。
形だけを見て、中身を見ないのでは、元の使い方と違います。 カップの形をしている株主優待目当ての低成長株を買う理由には、なりません。
そのうえで、この形の使いどころを書いておきます。
買う理由ではなく、「まだ買わない理由」として使うほうが安全です。
丸く戻ってきた株が、まだ縁を抜けていないのなら、抜けるまで待つという使い方ができます。
これは「抜けたら必ず上がる」という意味ではありません。縁より下で買って、縁で跳ね返されるのを避けるという、消極的な使い方です。
形を根拠に買うのではなく、急いで買わないための目安と考えてください。
関連する言葉
- ダブルボトム 同じ水準の谷を2つ作り、間の山を上に抜けると上昇に転じるとされる形。W字。
- 二番底 一度下げ止まった後、もう一度下げること。最初の反発を底と見て買うと損をする。
- フラッグ(旗の形) 急な上げの後に小さく揉み合い、再び上げる形。外れたときはただの天井になる。
- ボックス相場(レンジ相場) 決まった上下の幅を行き来する形。抜けたときに動きが大きくなりやすい。
- だまし 買いや売りのサインが出たのに、直後に反対方向へ動いてしまうこと。
- 最終更新
- 2026-09-18