REIT(リート)
多くの人から集めた資金で不動産を買い、賃料を分配する仕組み。株とは別の商品。
ひとことで言うと
多くの人からお金を集めて不動産を買い、その賃料を分配する仕組みです。
もう少しくわしく
REITは Real Estate Investment Trust の略。日本のものはJ-REITと呼ばれます。
仕組みはこうです。
- 投資家からお金を集める
- オフィスビル、商業施設、物流倉庫、住宅などを買う
- 賃料収入を、出資割合に応じて分配する
証券取引所に上場していて、株と同じように売買できます。
不動産を直接買う場合と比べます。
| 現物の不動産 | J-REIT | |
|---|---|---|
| 最低金額 | 数千万円〜 | 数万円から |
| 売りたいとき | 買い手を探す。数か月 | 取引所ですぐ |
| 管理の手間 | 自分で(または管理会社) | 不要 |
| 分散 | 1棟に集中 | 数十〜数百棟 |
個人には手が届かない大型物流施設や都心のオフィスビルに、少額で分散して投資できるのが利点です。
実際の数字で見る
REITの分配金利回りは、株の配当利回りより高いことが一般的です。
| 目安 | |
|---|---|
| 日本株の配当利回り(平均) | 約2.5% |
| J-REITの分配金利回り(平均) | 約4〜5% |
なぜ高いのか。制度上の理由があります。
利益の90%超を分配すれば、法人税が実質的にかからない。
通常の会社は、利益に約30%の法人税を払い、残りから配当を出します。REITはこの二重課税を避けるため、利益のほぼ全額を分配する仕組みになっています。
だから利回りが高く出ます。会社が優秀だから高いのではありません。
ここに注意
利益をほぼ全額分配するということは、内部に資金を貯められないということです。
これがREITの構造的な弱点です。
| 通常の会社 | REIT | |
|---|---|---|
| 利益の使い道 | 配当+内部留保 | ほぼ全額を分配 |
| 新しい投資の原資 | 内部留保が使える | 借金か、新規の出資 |
新しい物件を買うには、借入を増やすか、新たに投資口を発行するしかありません。後者は増資と同じで、1口あたりの価値が薄まります。
そして、いくつか注意すべき点があります。
1. 金利の上昇に弱い。
REITは借入を使って物件を買っています。金利が上がれば、支払利息が増えて分配金が減ります。
また、REITは利回りで評価されるため、金利が上がると相対的な魅力が下がり、価格も下がりやすくなります。 二重に効きます。
2. 用途による違いが大きい。
| 用途 | 性質 |
|---|---|
| オフィス | 景気に左右される。在宅勤務の影響も |
| 住宅 | 比較的安定 |
| 商業施設 | 消費動向とネット通販の影響 |
| 物流施設 | ネット通販で需要増。ただし供給も増えた |
| ホテル | 景気と旅行需要で激しく振れる |
「REIT」と一括りにできません。何を持っているかで、まったく違う商品です。
3. 分配金は「配当」ではありません。
税制上、J-REITの分配金は配当控除の対象外です。株の配当とは扱いが違います。ただし株の売却損との損益通算は可能です。
4. 投資法人が破綻した例があります。
2008年の金融危機で、上場していたJ-REITが1件破綻しています。元本が保証された商品ではありません。
当サイトの扱いについて。
当サイトはJ-REITを分析の対象にしていません。 扱っているのは株式会社の財務データであり、REITは会計の構造が違うためです。PERやROEといった指標を、同じ意味で使うことができません。
関連する言葉
- ETF(上場投資信託) 取引所で株と同じように売買できる投資信託。費用が安く、値段がその場で決まる。
- 投資信託 多くの人から集めた資金をまとめて運用する商品。少額で分散できるが、持っている間ずっと費用がかかる。
- 配当利回り 今の株価で買った場合、1年でもらえる配当が何%にあたるかを示す数字。
- 分散投資 複数の銘柄に分けて投資すること。1社の失敗で資産の大半を失う事態を防ぐ。
- 最終更新
- 2026-09-16