分散投資
複数の銘柄に分けて投資すること。1社の失敗で資産の大半を失う事態を防ぐ。
ひとことで言うと
資金を複数の銘柄に分けて投資することです。1社の失敗で全部を失わないための備えです。
もう少しくわしく
「卵を一つのかごに盛るな」という言い伝えがあります。かごを落としたら、全部の卵が割れるからです。
株も同じです。100万円を1社に投じ、その会社が不祥事を起こせば、100万円がまとめて減ります。
10社に10万円ずつ投じていれば、1社が半分になっても資産全体への影響は5%です。
分散には、いくつかの方向があります。
| 分散の方向 | 内容 |
|---|---|
| 銘柄の分散 | 複数の会社に分ける |
| 業種の分散 | 自動車だけ、銀行だけに偏らせない |
| 時期の分散 | 一度に買わず、何回かに分けて買う |
| 地域の分散 | 日本株だけでなく海外にも分ける |
とくに見落とされやすいのが業種の分散です。
10社に分けていても、全部が自動車部品メーカーなら分散になっていません。円高や自動車の販売不振が起きれば、10社とも同時に下がります。
実際の数字で見る
同じ100万円で、集中した場合と分散した場合を比べます。1社が大きく下落したとします。
集中(1社に100万円)
| 結果 | |
|---|---|
| その1社が-60% | -60万円 |
| 資産 | 40万円 |
分散(10社に10万円ずつ)
| 銘柄 | 増減 | 損益 |
|---|---|---|
| A社 | -60% | -6万円 |
| B〜D社 | -5〜-10% | -2万円 |
| E〜G社 | ほぼ横ばい | 0円 |
| H〜J社 | +10〜+25% | +5万円 |
| 合計 | -3万円 |
同じ事故が起きても、損失は60万円と3万円です。
ここで重要なのは、分散は利益も平均化するという点です。A社が3倍になった場合、集中していれば300万円になります。分散していれば120万円です。
分散は、大勝ちを捨てて、大負けを避ける手法です。
ここに注意
分散にも限度があります。増やしすぎると管理できなくなります。
個人投資家が保有する銘柄数の現実的な目安は、5〜20社程度です。
| 銘柄数 | 状態 |
|---|---|
| 1〜3社 | 1社の事故が致命傷になる |
| 5〜20社 | 現実的な範囲 |
| 50社以上 | 一社ずつ決算を追えない |
50社を持てば、決算発表は年200回です。すべてを確認するのは無理があります。内容を把握していない株を持つことは、分散ではなく放置です。
もう一点、少額の資金では分散が難しいという問題があります。
10万円で10社に分けようとすると、1社あたり1万円です。100株単位では、株価100円の銘柄しか買えません。
これを解決するのが単元未満株(1株から買える仕組み)です。1株単位なら、10万円でも5〜10社に分けられます。
資金が少ないときこそ、分散の重要性は高くなります。 生活に影響する金額を失う余裕がないためです。
最後に、分散の限界について書いておきます。
市場全体が下がるときは、分散していても下がります。
金融危機や世界的な景気後退では、業種を分けても関係なく下落します。分散が守るのは「1社の個別の事故」であって、「市場全体の下落」ではありません。
後者への備えは、分散ではなく時期の分散(少しずつ買う)と、すぐに使う予定のないお金だけを投じることです。
関連する言葉
- 単元未満株 100株に満たない数で買える仕組み。少額から始められるが、制約もある。
- ドルコスト平均法 毎月同じ金額を買い続ける方法。買う時期を分散し、高値で一度に買う失敗を防ぐ。
- 流動性 売りたいときに売れるかどうかの度合い。低い銘柄は、自分の注文で株価が動いてしまう。
- 損切り(ロスカット) 損が出ている株を売って、損失を確定させること。傷が広がる前に止める行為。
- 最終更新
- 2026-09-16