ROE(自己資本利益率)
株主から預かったお金を使って、1年でどれだけ利益を出せたかを示す割合。
ひとことで言うと
預けたお金を、会社が1年で何%増やしてくれたかを表します。
もう少しくわしく
友人2人にそれぞれ100万円を預けたとします。
- Aさん:1年後に15万円の利益を出した → 15%
- Bさん:1年後に3万円の利益を出した → 3%
同じ100万円を預けても、増やし方に差が出ます。この「%」がROEです。
会社も同じで、株主から預かったお金(自己資本)に対して、1年でどれだけの利益を生んだかを示します。日本企業の平均はおおむね8〜9%で、8%が一つの目安とされます。
数字が高いほど、お金を上手に使える会社だと言えます。
実際の数字で見る
| 当期純利益 | 120億円 |
| 自己資本(株主のお金) | 800億円 |
| ROE(120 ÷ 800) | 15.0% |
平均の8%を大きく上回っています。
ここに注意
借金を増やすだけでROEは上がります。 ここが最大の落とし穴です。
自己資本800億円・利益120億円の会社が、自己資本を400億円に減らして(自社株買いなどで)同じ120億円を稼げば、ROEは30%に跳ね上がります。会社の実力は何も変わっていないのに、数字だけ倍になるわけです。
借金が多い会社はROEが高く出やすい。だから ROEが高い会社を見たら、必ず自己資本比率もセットで確認してください。 自己資本比率が極端に低いままROEだけ高いなら、それは効率がよいのではなく、危ない橋を渡っているだけかもしれません。
もう一つ。一度きりの利益でもROEは上がります。 土地を売って利益が出た年は数字が跳ねますが、翌年には戻ります。数年分の推移を見てください。
この数字を、実際の上場企業で見る
いま決算の数字がそろっている上場企業3,236社で見ると、ROEの真ん中(中央値)は9.2%です。
半分の会社が5.8%から14.6%のあいだに入っています。
極端に大きい・小さい値の会社(上下5%ずつ、計315社)は、図が読めなくなるため図からは外しています。上の中央値や範囲には含めています。
業種によって「ふつう」が違う
ROEの中央値が高い業種と低い業種です(ROEが出ている会社が10社以上ある業種のみ)。 同じ数字でも、業種によって高い・低いの意味が変わります。
| 業種 | 中央値 | 社数 |
|---|---|---|
| 情報・通信業 | 14.0% | 497社 |
| 不動産業 | 12.8% | 119社 |
| サービス業 | 12.7% | 451社 |
| ⋮ | ||
| パルプ・紙 | 5.1% | 24社 |
| 鉄鋼 | 5.6% | 34社 |
| 銀行業 | 5.9% | 78社 |
よく知られた会社は、どのあたりにいるか
時価総額の大きい順に5社。業績の良し悪しで選んだものではありません。
| 会社 | ROE | 全体の中での位置 |
|---|---|---|
| トヨタ自動車 | 10.1% | 上位45% |
| 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 11.3% | 上位37% |
| リクルートホールディングス | 31.0% | 上位4% |
| ソフトバンクグループ | 34.3% | 上位3% |
| アドバンテスト | 57.6% | 上位1% |
この言葉で、会社を探す
お金を増やす力が強い会社
株主から預かったお金を1年でどれだけ増やせたか(ROE)が高い順です。
| 順位 | 会社 | ROE |
|---|---|---|
| 1 | リネットジャパングループ 小売業 | 80.4% |
| 2 | AlbaLink 不動産業 | 67.1% |
| 3 | GMOインターネット 情報・通信業 | 59.0% |
借金を増やしてもROEは上がります。数字が高い会社は、自己資本比率もあわせて確認してください。
関連する言葉
- PBR(株価純資産倍率) 会社が持っている正味の財産に対して、株価が何倍かを示す数字。1倍割れは割安とされる。
- 自己資本比率 会社の財産のうち、借金でない部分がどれだけあるかを示す割合。高いほど倒れにくい。
- EPS(1株あたり利益) 会社の利益を株の数で割った数字。株1つが1年でいくら稼いだかを表す。
- ROA(総資産利益率) 会社が持つ資産全体で、どれだけ利益を生んだかを示す割合。借金の影響を受けないROE。
- 最終更新
- 2026-09-16