夏枯れ相場
7〜8月に売買が細り、値動きが荒くなりやすい相場。薄商いは有利ではなく、不利に働く。
ひとことで言うと
夏に売買する人が減って、市場が静かになることです。
もう少しくわしく
7月から8月、とくにお盆の前後は、売買が細ります。
理由は単純です。人が休んでいるためです。
- 機関投資家の運用担当者が夏休みに入る
- 海外の投資家も長期休暇に入る(欧米は8月が休暇の月)
- 個人投資家も帰省や旅行で相場を見ない
参加者が減れば、売買の量(出来高)が減ります。これを「薄商い」と言います。
ここで多くの人が誤解します。
「静かなら、値も動かないだろう」
逆です。薄商いのほうが、値は荒く動きます。
理由は板の厚みにあります。板とは、いくらで何株の注文が出ているかの一覧です。
| 板の厚み | 1,000株の注文を出すと | |
|---|---|---|
| 通常の相場 | 厚い | ほぼ同じ値段で全部買える |
| 夏枯れ相場 | 薄い | 値段を上げながら少しずつ買うことになる |
大きな注文が1つ入るだけで、値が飛びます。 少ない売買で相場が動いてしまうのが、薄商いの怖さです。
実際の数字で見る
板が薄いときに、成行注文で1,000株買った場合を見ます。
成行注文とは、値段を指定せず「いくらでもいいから買う」という注文です。
| 売り注文の板 | 株数 |
|---|---|
| 1,000円 | 200株 |
| 1,005円 | 300株 |
| 1,012円 | 500株 |
上から順に買っていくので、こうなります。
| 計算 | |
|---|---|
| 1,000円で200株 | 200,000円 |
| 1,005円で300株 | 301,500円 |
| 1,012円で500株 | 506,000円 |
| 合計1,000株 | 1,007,500円 |
平均の買値は1,007円50銭です。板が厚ければ1,000円で買えたはずなので、0.75%高く買ったことになります。金額にして7,500円です。
売るときも同じことが起きます。往復で1.5%が消える計算です。
これは手数料ではありません。板が薄いことによる損です。手数料を1円単位で比べていても、ここで数千円を失っています。
ここに注意
「閑散に売りなし」という格言を、夏枯れに当てはめてはいけません。
「閑散に売りなし」は、売買が細っている時期に無理に売る必要はないという意味です。しかしこれは、薄商いでも安全という意味ではありません。
夏枯れ相場で気をつけることは3つです。
1. 成行注文を使わないでください。
上の計算のとおりです。指値注文を使えば、想定外の値段で約定することを防げます。
2. 大きな金額を一度に動かさないでください。
板が薄いところに大きな注文を入れると、自分の注文で値を動かしてしまいます。 買うなら高く買い、売るなら安く売ることになります。
3. 値が飛んでも、慌てないでください。
夏枯れの時期は、大した材料がなくても値が大きく動きます。 会社に何か起きたと思って売ってしまうと、参加者が戻った9月に元の水準に戻る、ということが起こります。
そして、最も確実な対処があります。
無理に売買しないことです。
休むも相場という言葉のとおり、参加者が戻るまで待つのは、立派な判断です。
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- 最終更新
- 2026-09-17