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株を学ぶ / 基礎指標

フリーキャッシュフロー

本業で稼いだ現金から投資分を引いた、会社が自由に使えるお金。配当や返済の原資になる。

ひとことで言うと

本業で稼いだ現金から、必要な投資を引いて残ったお金です。会社が自由に使える分です。

もう少しくわしく

FCFと略されます。計算はこうです。

フリーキャッシュフロー = 営業キャッシュフロー + 投資キャッシュフロー

投資キャッシュフローは通常マイナスなので、実質は引き算です。

家計にたとえます。

項目 金額
手取り月収 30万円
家賃・食費など生活費 -22万円
住宅の修繕費(今年必要) -3万円
自由に使えるお金 5万円

この5万円が、貯金にも、旅行にも、借金の繰上返済にも回せるお金です。

会社も同じです。工場の維持や更新には、毎年お金がかかります。それを済ませた後に残る現金がFCFです。

FCFの使い道は、次の4つしかありません。

  • 配当として株主に配る
  • 自社株買いをする
  • 借金を返す
  • 現金として貯める

つまり配当を出し続けられるかどうかは、FCFで決まります。

実際の数字で見る

配当の持続性を、FCFで検証します。

A社 B社
営業CF +180億円 +90億円
投資CF -70億円 -75億円
FCF +110億円 +15億円
配当の総額 -45億円 -60億円
差し引き +65億円 -45億円
フリーキャッシュフローと配当稼いだ現金の範囲で配当を出している会社と、それを超えて出している会社の比較。 180億円 営業CF -70億円 投資CF 110億円 FCF -45億円 配当 A社 90億円 営業CF -75億円 投資CF 15億円 FCF -60億円 配当 B社 億円
営業CFとFCF出ていく現金B社はFCFを45億円超える配当を出している
A社は稼いだ現金の範囲で配当を出しています。B社はFCF15億円に対して配当60億円で、45億円足りていません。説明のための模式図です。実在の銘柄・企業の数値ではありません。

A社は、稼いだ現金の範囲で配当を出しています。余裕があります。

B社は、FCFを45億円上回る配当を出しています。足りない分は、手元の現金を取り崩すか、借金で賄っています。

B社の配当利回りが高く見えても、この状態は続きません。 いずれ減配になるか、財務が悪化します。

配当利回りだけを見ていると、この違いが見えません。

ここに注意

FCFがマイナスであっても、必ずしも悪いとは限りません。理由を見てください。

FCFがマイナスになるのは、投資が営業CFを上回ったときです。

状況 評価
営業CFは大きいが、大型の工場を建てた 前向き。数年後に回収できるか次第
営業CFは大きいが、成長企業が積極投資 前向き。よくある形
営業CFが小さい、またはマイナス 危険。本業が現金を生んでいない

判断の鍵は、営業CFのほうを見ることです。営業CFがしっかりプラスで、投資のせいでFCFがマイナスなら、それは将来のための支出です。

一方、営業CFそのものが弱い会社のFCFマイナスは、本業が現金を生んでいないという話です。意味がまったく違います。

もう一つ、単年で判断しないでください。

設備投資は数年に一度まとまって発生します。5年ほどの合計で見ると、その会社が本当に現金を生んでいるかが分かります。

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 合計
FCF +80 -120 +95 +110 +85 +250億円

2年目だけを見れば悪く見えます。しかし5年の合計では250億円を生んでいます。この会社は健全です。

最後に、当サイトのデータについて。

J-Quantsの無料プランでは、キャッシュフロー計算書のデータを取得できません。 当サイトが表示している財務データはEDINET(金融庁)から取得したもので、キャッシュフローは現在含まれていません。確認したい場合は、EDINETまたは会社のIRページで決算短信を見てください。

関連する言葉

  • 営業キャッシュフロー 本業で実際に入ってきた現金。利益と違い、ごまかしが効きにくい数字。
  • 配当性向 会社が稼いだ利益のうち、何%を配当として株主に配ったかを示す割合。
  • 有利子負債 利息を払う必要がある借金。多すぎると、金利が上がったときに利益を削られる。
  • 自社株買い 会社が自分の会社の株を市場から買い戻すこと。1株あたりの価値が高まる。
最終更新
2026-09-16