窓(ギャップ)
チャートに現れる空白。前日の値段と当日の値段が離れて取引が始まったときにできる。
ひとことで言うと
チャートに現れる空白のことです。前日と当日の値段が離れて取引が始まると生まれます。
もう少しくわしく
ローソク足のチャートは、1日ごとの値動きを縦の棒で表します。通常、前日の棒と当日の棒は値段の範囲が重なります。
しかし前日の高値より高い値段で始まると、両者の間に空白ができます。この空白が窓です。英語ではギャップと言います。
窓には2種類あります。
| 種類 | 状況 | 呼び名 |
|---|---|---|
| 上に空く | 前日の高値より高く始まる | 窓開け上昇、ギャップアップ |
| 下に空く | 前日の安値より安く始まる | 窓開け下落、ギャップダウン |
窓ができる理由は明快です。取引時間外に、値段を動かす出来事があったからです。
取引時間中であれば、株価は連続して動きます。止まっている時間に情報が出るため、飛んで始まるわけです。
実際の数字で見る
決算発表による窓の例です。
| 日 | 値段 | 状況 |
|---|---|---|
| 火曜 終値 | 2,400円 | 通常の取引 |
| 火曜 15:45 | - | 下方修正を発表 |
| 水曜 始値 | 2,010円 | 窓を開けて下落 |
火曜の安値が2,380円だったとすると、2,010円から2,380円の間には、取引が一度もありません。 チャートにはそこが空白として残ります。
ここで重要なのは、この間の値段では売買できなかったという事実です。
2,300円に逆指値を置いていた人がいたとします。注文は発動しますが、約定するのは2,010円付近です。想定した4%の損失は、16%になります。
逆指値は、窓を飛び越えられません。
ここに注意
「窓は埋まる」という言い伝えがありますが、根拠のある法則ではありません。
株の世界には「窓は必ず埋まる」という言い方があります。空いた空白の値段まで、いずれ株価が戻ってくるという意味です。
確かに、埋まることはよくあります。しかし必ずではありません。
窓が空いた理由を考えてください。
| 窓の理由 | 埋まりやすさ |
|---|---|
| 一時的な思惑、噂 | 埋まりやすい(行ってこいになる) |
| 業績の大幅な悪化 | 埋まらないことが多い |
| 買収や合併の発表 | 埋まらない(前提が変わった) |
下方修正で40%下がった株が元の値段に戻るには、業績そのものが回復する必要があります。 「窓が空いたから」という理由で戻ることはありません。
「窓は埋まる」を根拠に、下がった株を買うのは危険です。 それは値動きの形を理由にした判断であり、会社の中身を見ていません。
もう一つ、実務的な注意があります。
決算発表をまたいで株を持つと、窓のリスクを負います。
発表は取引時間外に行われるため、内容が良ければ上に、悪ければ下に飛びます。その間、何もできません。 損切り注文も機能しません。
これは避けられないリスクです。対処は2つしかありません。
- 決算前に売って、様子を見る
- 窓が空いても耐えられる金額に抑えておく
当サイトが扱うのは短期・中期・長期の投資であり、決算をまたぐことは前提になります。だからこそ、1銘柄に資金を集中させないことが重要になります。
なお、窓は株式分割によっても生まれます。 ただしこれは値段の付け替えであり、価値の変化ではありません。当サイトが分割調整後の株価を使っているのは、この種の窓を除くためです。
この5年の日本株で、確かめてみた
1日を通して空白が残った窓は、上に95,800回、下に93,324回ありました。
2%未満の小さな窓は、上の窓の79.6%が20営業日以内に埋まりました。
5%以上の大きな窓では35.2%で、60営業日たっても46.0%は埋まっていません。
上に空いた窓(前日の高値より、その日の安値が高い)
窓の大きさは前日の終値に対する割合。数字は、窓の翌営業日から数えてその営業日数のうちに埋まった割合です。
| 窓の大きさ | 件数 | 5日以内 | 20日以内 | 60日以内 |
|---|---|---|---|---|
| 2%未満 | 83,781件 | 60.6% | 79.6% | 87.5% |
| 2〜5% | 7,981件 | 35.3% | 57.9% | 72.3% |
| 5%以上 | 4,038件 | 18.0% | 35.2% | 54.0% |
下に空いた窓(前日の安値より、その日の高値が安い)
窓の大きさは前日の終値に対する割合。数字は、窓の翌営業日から数えてその営業日数のうちに埋まった割合です。
| 窓の大きさ | 件数 | 5日以内 | 20日以内 | 60日以内 |
|---|---|---|---|---|
| 2%未満 | 80,140件 | 62.1% | 81.6% | 90.6% |
| 2〜5% | 9,925件 | 43.1% | 66.9% | 80.8% |
| 5%以上 | 3,259件 | 22.7% | 40.8% | 55.3% |
- 定義は、このページの本文と同じです。都合のよい期間や条件に変えて数え直すことはしていません。
- 数えたのは、ふだんから売買されている銘柄だけです(前日までの25営業日の売買代金の平均が1億円以上。ETFなどは除く)。
- 途中で上場をやめた会社も、やめるまでの株価は含めています。直近60営業日に起きたものは、まだ結果が出ていないため数えていません。
- 埋まったとは、窓の翌営業日以降に、空白の端(前日の高値・安値)まで値段が戻ったことを指します。
- 売買の手数料や税金は含めていません。過去5年の結果で、この先のことは分かりません。当サイトは、この結果を銘柄を選ぶ条件には使っていません。
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- 最終更新
- 2026-09-16