逆指値
「この値段まで下がったら売る」と先に決めておく注文。損切りを自動化できる。
ひとことで言うと
「この値段まで下がったら売る」と、あらかじめ決めておく注文です。
もう少しくわしく
通常の指値注文と、逆指値注文の違いを整理します。
| 注文 | 内容 | 目的 |
|---|---|---|
| 指値の売り | 1,200円以上になったら売る | 利益の確定 |
| 逆指値の売り | 950円以下になったら売る | 損失の限定 |
通常の指値は「高く売りたい」注文です。逆指値はその逆で、「下がったら売る」注文になります。名前の由来はここにあります。
なぜ、わざわざ安く売る注文を出すのか。損切りを自動化するためです。
株で最も難しいのは、損が出ている株を売ることです。「もう少し待てば戻るかもしれない」と考えてしまいます。そして下がり続け、塩漬けになります。
逆指値は、この判断を買った直後、冷静なうちに済ませておく仕組みです。
- 1,000円で買う
- 同時に「950円になったら売る」と入れておく
- 損失は5%で止まる
値動きを見ていなくても、条件に達すれば自動的に注文が出ます。
実際の数字で見る
逆指値を使った場合と使わなかった場合を比べます。100万円を投じたとします。
| 逆指値あり | 逆指値なし | |
|---|---|---|
| 買値 | 1,000円 | 1,000円 |
| 逆指値 | 950円 | なし |
| 実際の値動き | 950円 → 620円 | 950円 → 620円 |
| 売った値段 | 950円 | 620円(耐えられず売却) |
| 損失 | -5万円 | -38万円 |
同じ値動きでも、損失に7倍以上の差が出ました。
そして重要なのは、5万円の損は残り95万円で取り返せるという点です。38万円の損を取り返すには、残った62万円を61%増やす必要があります。
損を小さく止めることの意味は、ここにあります。
ここに注意
逆指値は万能ではありません。3つの弱点があります。
1つ目。指定した値段で売れるとは限りません。
逆指値は「950円になったら注文を出す」という仕組みです。950円で売れることを保証するものではありません。
悪材料が出た翌朝、株価が1,000円からいきなり870円で始まることがあります。このとき逆指値は発動しますが、約定するのは870円付近です。想定した5%ではなく、13%の損失になります。
これをギャップダウンと呼びます。決算発表の直後によく起こります。
2つ目。流動性の低い銘柄では機能しません。
逆指値が発動しても、買ってくれる人がいなければ約定しません。 売買の少ない銘柄では、注文を出したまま株価が下がり続けることがあります。
3つ目。一時的な下げで売らされることがあります。
買値のすぐ下に逆指値を置くと、通常の値動きの範囲で発動してしまいます。 売った直後に株価が戻り、「持っていれば利益が出た」という結果になります。
逆指値の位置は、その銘柄の普段の値動きの幅より外側に置く必要があります。1日で3%動くのが普通の銘柄に、2%の逆指値を置いても意味がありません。
最後に、当サイトの立場を書いておきます。
逆指値をどこに置くかは、その人が受け入れられる損失額によって決まります。 一般的な目安として「買値の5〜10%下」と言われますが、これは絶対的な基準ではありません。
確実に言えるのは、買う前に「いくらまでなら損してよいか」を決めておくことです。決めずに買うと、下がってから決めることになります。そのときには冷静な判断ができません。
関連する言葉
- 指値と成行 値段を決めて注文するのが指値、値段を決めず今の値で買うのが成行。
- 損切り(ロスカット) 損が出ている株を売って、損失を確定させること。傷が広がる前に止める行為。
- 約定 売買が成立すること。注文を出した時点ではまだ成立していない。
- 流動性 売りたいときに売れるかどうかの度合い。低い銘柄は、自分の注文で株価が動いてしまう。
- 最終更新
- 2026-09-16