行ってこい
大きく上がった後、結局もとの値段まで戻ること。何も起きなかったのと同じ結果になる。
ひとことで言うと
大きく上がった後、結局もとの値段まで戻ってしまうことです。
もう少しくわしく
「行って、帰ってきた」から行ってこいです。
朝に急騰し、夕方には前日の終値まで戻った。数日かけて20%上がったが、その後の数日で全部戻した。こうした動きを指します。
結果だけを見れば、何も起きなかったのと同じです。株価は元の位置にあります。
しかし、その間に売買した人には損得が発生しています。
- 上がる前に持っていた人 … 損得なし
- 上がってから買った人 … 損
- 上がったところで売った人 … 得
行ってこいの相場で損をするのは、上がってから参加した人です。
似た言葉に往復ビンタがあります。こちらはさらに厳しく、上がったところで買い、下がったところで売り、その後また上がるという、両方向で損をする状態を指します。
実際の数字で見る
1日のうちで起きる行ってこいの例です。
| 時刻 | 株価 | 状況 |
|---|---|---|
| 前日終値 | 1,200円 | - |
| 9:00(寄り付き) | 1,380円 | 好材料で急騰して始まる |
| 9:20 | 1,450円 | その日の高値 |
| 11:00 | 1,310円 | 売りが出始める |
| 15:30(終値) | 1,205円 | ほぼ前日の水準 |
チャートの終値だけを見れば、ほとんど動いていません。 前日比+5円です。
しかし9時20分に1,450円で買った人は、その日のうちに17%の損を抱えています。
こうした動きは、決算発表や材料の出た翌日によく起こります。好材料で始まるが、それを待っていた人の売りが出て、押し戻されるという形です。
ここに注意
行ってこいが起きやすい場面は、あらかじめ分かります。
次の3つの条件が揃うとき、行ってこいになりやすくなります。
1. すでに上がった後で、材料が出た。
株価が上がってから好材料が発表された場合、その材料はすでに株価に織り込まれています。 発表を待っていた人が売るため、上げは続きません。
「噂で買って事実で売る」という相場の言葉が、この状況を指しています。
2. 出来高が急増している。
普段の10倍の出来高で急騰した場合、買った人が大量にいるということです。その人たちは、少し上がれば利益を確定します。売り圧力が積み上がっている状態です。
3. 材料の中身が具体的でない。
「業務提携を発表」とあっても、金額や時期が書かれていなければ、業績への影響は不明です。翌日に冷静な判断が戻れば、株価も戻ります。
適時開示の原文を読めば、この判断はできます。 見出しだけで動いた株価は、中身が確認された時点で戻ります。
対処として確実なのは、急騰した日に飛び乗らないことです。
上がっている最中は、乗り遅れる恐怖を感じます。しかしその恐怖に従った売買が、行ってこいで損をする人を作っています。
もう一つ。行ってこいは、保有している側にとっては判断の機会でもあります。
大きく上がったとき、「ここで売る」と決めていれば利益になります。決めていなければ、上がるのを眺め、戻るのを眺めることになります。
上がったときにどうするかは、上がる前に決めておく。 これが行ってこいへの唯一の備えです。
関連する言葉
- 提灯(ちょうちん) 誰かの買いに乗って、後から追いかけて買うこと。灯りが消えると暗闇に取り残される。
- 高値掴み(たかねづかみ) 株価が一番高いところで買ってしまい、その後の下落に巻き込まれること。
- 押し目(おしめ) 上昇が続いている途中で起きる、一時的な下げのこと。買いの機会とされる。
- イナゴ 話題になった銘柄に短時間で群がり、急騰させてすぐ去っていく投資家たちのこと。
- 最終更新
- 2026-09-16