株は木で買って紙で売れ
人気のないときに買い、人気で舞い上がったときに売れという格言。「人気がない」の中身を見分ける必要がある。
ひとことで言うと
誰も見ていないうちに買って、皆が騒ぎ出したら売れ、という格言です。
もう少しくわしく
由来にはいくつかの説があります。よく語られるのは次の2つです。
| 説 | 中身 |
|---|---|
| 火のたとえ | 木は燃えにくく、紙はすぐ燃える。火がつく前に買い、燃え上がったら売れ |
| 重さのたとえ | 木は重く沈み、紙は軽く舞う。沈んでいるときに買い、舞い上がったら売れ |
どちらの説でも、言っていることは同じです。
人気がないときに買い、人気が集まったときに売る。
これは逆張りの考え方です。順張りの反対にあたります。
なぜこう言われるのか。株価は、買いたい人が多いほど高くなるためです。
皆が騒いでいる銘柄は、騒ぐ人がすでに買い終わっている状態です。次に買う人が減れば、値は下がります。逆に誰も見ていない銘柄は、これから買う人の余地が残っています。
実際の数字で見る
出来高(1日に売買された株数)に注目すると、その変化が見えます。
| 時期 | 株価 | 1日の出来高 | 世間の反応 |
|---|---|---|---|
| 木の時期 | 800円 | 5万株 | 誰も話題にしない |
| 半年後 | 1,200円 | 40万株 | 一部が気づき始める |
| 紙の時期 | 2,400円 | 300万株 | SNSで話題になる |
出来高が60倍になっています。株価は3倍です。
ここで重要なのは順番です。出来高が増えてから、株価が上がっています。 買う人が増えたから、値が上がったのです。
そして300万株の時期に買う人は、5万株の時期に買った人から買っています。 格言が「紙で売れ」と言っているのは、この場面のことです。
ここに注意
「人気がない」には、2つの種類があります。この2つを取り違えると、大きく損をします。
| 種類 | 中身 | 結果 |
|---|---|---|
| 忘れられているだけ | 業績は悪くないのに、話題にならない | 見直される可能性がある |
| 見放されている | 業績が悪化し続けている | さらに下がる |
格言が言っているのは前者です。しかし実際に株価が安い銘柄の多くは、後者です。
安いのには理由があります。その理由が「一時的なもの」なのか「続くもの」なのかを、業績で確かめてください。
これを確かめずに「安いから買う」とすると、バリュートラップにはまります。安いまま、さらに安くなる状態です。
もう1つ。この格言は、待つ時間を教えてくれません。
「木の時期」に買っても、火がつくのが3年後かもしれませんし、一生つかないかもしれません。その間、株価は動きません。
「安く買えた」と思っても、動かない株を何年も持ち続けるのは、想像よりつらいことです。生活に必要な資金で買ってはいけません。
関連する言葉
- 順張りと逆張り 上がっている株を買うのが順張り、下がっている株を買うのが逆張り。失敗の形が違う。
- バリュートラップ(割安の罠) 割安に見える株を買ったが、安いのには理由があり、そのまま下がり続けること。
- イナゴ 話題になった銘柄に短時間で群がり、急騰させてすぐ去っていく投資家たちのこと。
- 出来高(できだか) その日に売買が成立した株数。関心の大きさを表し、株価の動きの信頼度を測る材料になる。
- 閑散に売りなし 売買が細って値動きが乏しいときは、売り込んでも下がりにくいという古い格言。
- 最終更新
- 2026-09-17