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株を学ぶ / 基礎指標

販管費

商品を売るため、会社を動かすためにかかる費用。削れば利益は増えるが、将来を削ることもある。

ひとことで言うと

商品を売るため、そして会社を動かすためにかかる費用です。

もう少しくわしく

損益計算書のなかの販管費売上総利益から差し引かれる販売費及び一般管理費を示した図。 1,000 売上高 -620 売上原価 380 売上総利益 -300 販管費 80 営業利益 -15 営業外収支 65 経常利益 -21 税金など 44 当期純利益 億円
その時点の利益差し引かれる費用
売上総利益から差し引かれるのが販管費です。ここを引いた残りが営業利益になります。説明のための模式図です。実在の銘柄・企業の数値ではありません。

正式には販売費及び一般管理費と言います。長いので販管費(はんかんひ)、あるいはSG&Aと呼ばれます。

売上原価との違いは、次のとおりです。

何の費用か 例
売上原価 商品そのものを作る・仕入れる 材料費、仕入れ代
販管費 売るため・会社を動かすため 給料、家賃、広告費

販管費に含まれる主なものです。

  • 人件費(役員報酬、給料、賞与、退職金)
  • 広告宣伝費
  • 研究開発費
  • 地代家賃、水道光熱費
  • 減価償却費(本社ビルや事務機器の分)
  • 支払手数料、旅費交通費、通信費

販管費の内訳は、有価証券報告書で確認できます。 決算短信には合計額しか載らないことが多いため、中身を知りたい場合は有報を見てください。

実際の数字で見る

売上高1,000億円の会社で、販管費の中身を並べます。

項目 金額 売上高比
人件費 148億円 14.8%
広告宣伝費 62億円 6.2%
研究開発費 38億円 3.8%
地代家賃 24億円 2.4%
減価償却費 18億円 1.8%
その他 10億円 1.0%
合計 300億円 30.0%

この会社の売上総利益が380億円なら、営業利益は80億円です。

販管費率(販管費 ÷ 売上高)は30%。この割合が、その会社の動かすのにかかる重さを表します。

ここに注意

販管費が減って営業利益が増えたとき、何を削ったのかを必ず確認してください。

営業利益を増やす方法は2つしかありません。売上を増やすか、費用を減らすかです。

そして費用の削減には、性質の違うものが混ざっています。

削った費用 短期 数年後
無駄な事務作業、不採算店の閉鎖 利益増 問題なし
広告宣伝費 利益増 売上が減りうる
研究開発費 利益増 新製品が出なくなる
人件費(給料・教育) 利益増 人が辞める

下の3つは、将来の売上を今の利益に換えていることになります。

決算で「営業利益が前年比30%増」と報じられても、売上高が横ばいで販管費だけ減っているなら、中身を見る必要があります。

有価証券報告書の販管費の内訳を、前の年と並べてください。研究開発費が半減していれば、それは利益の改善ではなく、将来の取り崩しです。

逆の見方もできます。

販管費が増えて利益が減っている会社が、必ずしも悪いとは限りません。

新規の出店、新製品の開発、人材の採用。こうした支出は、数年後の売上を作るための投資です。今の利益は減りますが、それは意図した結果かもしれません。

見分ける方法は、その支出が何に使われたかを会社自身が説明しているかです。決算短信や決算説明資料に書かれています。説明がない場合は、単に費用が膨らんだだけの可能性があります。

関連する言葉

  • 売上総利益(粗利) 売上高から売上原価だけを引いた利益。商品そのものの儲けの厚さを表す。
  • 営業利益 本業だけで稼いだ利益。会社の実力を最も素直に表す数字。
  • 営業利益率 売上100円のうち、本業の儲けが何円残るかを示す割合。会社の稼ぐ効率を表す。
  • 売上高 会社が1年で売った金額の合計。利益ではないので、ここから費用を引く必要がある。
最終更新
2026-09-16