営業利益率
売上100円のうち、本業の儲けが何円残るかを示す割合。会社の稼ぐ効率を表す。
ひとことで言うと
売上100円のうち、本業の儲けが何円残るかを示す割合です。
もう少しくわしく
売上900万円、営業利益100万円のラーメン屋なら、営業利益率は約11%です。900円のラーメン1杯につき、約100円が手元に残るという意味になります。
この数字が表すのは、商売としての効率です。
同じ1億円を売るのに、900万円残る会社と、200万円しか残らない会社があります。前者のほうが、はるかに良い商売をしています。
営業利益率が高い会社には、共通する特徴があります。
| 特徴 | 例 |
|---|---|
| 他社がまねできない | 特許、ブランド、独自技術 |
| 値下げ競争に巻き込まれない | 代わりがきかない製品 |
| 作る費用がほとんど増えない | ソフトウェア、コンテンツ |
逆に営業利益率が低い会社は、価格でしか勝負できない状態にあることが多いです。
実際の数字で見る
売上高が同じ1,000億円の2社を比べます。
| A社(ソフトウェア) | B社(スーパー) | |
|---|---|---|
| 売上高 | 1,000億円 | 1,000億円 |
| 営業利益 | 220億円 | 25億円 |
| 営業利益率 | 22% | 2.5% |
A社はB社の9倍近い効率で稼いでいます。
ここで重要なのは、この比較に意味がないという点です。
スーパーは、仕入れた商品に少し利益を乗せて大量に売る商売です。営業利益率が2〜3%なのはその業種では正常です。1%を切れば苦しく、4%あれば優秀と言えます。
一方ソフトウェアは、一度作れば複製の費用がほぼゼロです。構造的に利益率が高くなります。
ここに注意
業種をまたいで比べても意味がありません。比べるのは、同業他社と、その会社自身の過去です。
業種ごとのおおよその水準です。
| 業種 | 営業利益率の目安 |
|---|---|
| 医薬品、ソフトウェア | 15〜30% |
| 情報・通信 | 10〜20% |
| 電気機器、機械 | 5〜12% |
| 化学、食品 | 5〜10% |
| 建設 | 3〜6% |
| 小売、卸売 | 1〜3% |
| 銀行、証券 | この指標を使わない |
銀行や保険には売上高という概念がないため、営業利益率では測れません。経常収益などの別の項目が使われます。
より実用的な使い方は、その会社の過去5年と比べることです。
| 3年前 | 2年前 | 前期 | 今期 | |
|---|---|---|---|---|
| 営業利益率 | 12.1% | 11.4% | 9.8% | 8.2% |
売上高が伸びていても、利益率が下がり続けているなら危険な兆候です。値下げしなければ売れなくなっている、原材料費が上がって転嫁できていない、といった状況が考えられます。
逆に、売上が横ばいでも利益率が上がっているなら、商売の質が改善している可能性があります。
最後に、利益率が高ければ良い会社とは限りません。
利益率が極端に高い商売には、新しい会社が参入してきます。その参入を防ぐ仕組み(特許、規制、ブランド)がなければ、高い利益率は数年で失われます。
利益率の水準そのものより、それが何年続いているかを見てください。10年にわたって20%を保っている会社には、まねできない何かがあります。
この数字を、実際の上場企業で見る
いま決算の数字がそろっている上場企業3,528社で見ると、営業利益率の真ん中(中央値)は6.3%です。
半分の会社が3.0%から11.0%のあいだに入っています。
極端に大きい・小さい値の会社(上下5%ずつ、計354社)は、図が読めなくなるため図からは外しています。上の中央値や範囲には含めています。
業種によって「ふつう」が違う
営業利益率の中央値が高い業種と低い業種です(営業利益率が出ている会社が10社以上ある業種のみ)。 同じ数字でも、業種によって高い・低いの意味が変わります。
| 業種 | 中央値 | 社数 |
|---|---|---|
| 証券・商品先物取引業 | 20.1% | 34社 |
| その他金融業 | 11.3% | 35社 |
| 不動産業 | 9.7% | 130社 |
| ⋮ | ||
| 医薬品 | 1.9% | 65社 |
| 卸売業 | 3.2% | 268社 |
| 繊維製品 | 3.6% | 44社 |
よく知られた会社は、どのあたりにいるか
時価総額の大きい順に5社。業績の良し悪しで選んだものではありません。
| 会社 | 営業利益率 | 全体の中での位置 |
|---|---|---|
| トヨタ自動車 | 7.4% | 上位43% |
| リクルートホールディングス | 17.1% | 上位12% |
| アドバンテスト | 44.2% | 上位1% |
| ファーストリテイリング | 16.6% | 上位12% |
| ソニーグループ | 11.6% | 上位23% |
関連する言葉
- 営業利益 本業だけで稼いだ利益。会社の実力を最も素直に表す数字。
- 売上高 会社が1年で売った金額の合計。利益ではないので、ここから費用を引く必要がある。
- ROA(総資産利益率) 会社が持つ資産全体で、どれだけ利益を生んだかを示す割合。借金の影響を受けないROE。
- ROE(自己資本利益率) 株主から預かったお金を使って、1年でどれだけ利益を出せたかを示す割合。
- 最終更新
- 2026-09-16