EBITDA
利息・税金・減価償却を引く前の利益。国や設備の違いを除いて会社を比べるための数字。
ひとことで言うと
利息と税金と減価償却を引く前の利益です。会社の稼ぐ力を、条件の違いを除いて比べるために使います。
もう少しくわしく
イービットディーエー、またはイービットダーと読みます。
正式には Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization の略で、 利息・税金・減価償却・のれん償却を引く前の利益という意味です。
なぜこんな数字を使うのか。比べたい条件を揃えるためです。
同じ商売をしている2社でも、次の点が違えば利益額は変わります。
| 違い | 利益への影響 |
|---|---|
| 借金の量 | 支払利息が違う |
| 国 | 法人税率が違う |
| 設備の買い方 | 減価償却費が違う |
これらは商売そのものの上手さとは関係ありません。 そこで、いずれも引く前の段階で比べようというのがEBITDAの考え方です。
海外企業との比較や、買収の金額を決めるときによく使われます。
実際の数字で見る
設備の持ち方が違う2社を比べます。商売の中身は同じとします。
| G社(自社保有) | H社(リース) | |
|---|---|---|
| 売上高 | 500億円 | 500億円 |
| 売上原価・販管費 | -380億円 | -380億円 |
| 減価償却費 | -60億円 | -10億円 |
| リース料 | 0億円 | -50億円 |
| 営業利益 | 60億円 | 60億円 |
| EBITDA | 120億円 | 70億円 |
営業利益は同じ60億円です。しかしEBITDAは120億円と70億円で大きく違います。
G社は設備を買って保有し、その費用を減価償却で計上しています。H社は借りてリース料を払っています。EBITDAは減価償却だけを足し戻すため、リース料は引かれたままです。
同じ商売でも、設備の持ち方が違えばEBITDAは比べられません。
ここに注意
EBITDAは「都合の良い利益」として使われることがあります。
投資家のウォーレン・バフェットは、EBITDAを重視する姿勢を繰り返し批判しています。理由は明快です。
減価償却は、実際に起きた支出である。
設備は現金を払って買いました。そして10年後には買い替えが必要です。それを「引く前」で語るのは、支出を無かったことにしているという指摘です。
とくに問題になるのは次の場合です。
1. 設備を多く必要とする会社。
工場、店舗、通信設備を持つ会社では、減価償却費は毎年必ず発生し、いずれ実際の支出として戻ってきます。 EBITDAだけを見ると、負担を見落とします。
2. 業績が悪い会社が、EBITDAだけを強調する場合。
営業利益が赤字でも、減価償却費を足し戻せばEBITDAは黒字になります。決算資料で「EBITDAは黒字」とだけ書かれているときは、営業利益がどうなっているかを必ず確認してください。
3. 借金が多い会社。
EBITDAは利息を引く前の数字です。借金の重さが見えません。
そのため、借金の重さを測るときはEBITDAと組み合わせた指標が使われます。
有利子負債 ÷ EBITDA = 何年分の稼ぎで借金を返せるか
この値が6〜7倍を超えると、返済の負担が重いと見られます。
まとめると、EBITDAの使いどころはこうです。
| 場面 | 適否 |
|---|---|
| 海外企業と比べる | 適している |
| 設備の持ち方が同じ同業他社と比べる | 適している |
| その会社が儲かっているかを見る | 不適。営業利益を見る |
| 投資判断の主軸にする | 不適 |
当サイトはEBITDAを表示していません。EDINETから機械的に取得できる項目を優先していること、そして営業利益のほうが実態に近いと考えているためです。
関連する言葉
- 営業利益 本業だけで稼いだ利益。会社の実力を最も素直に表す数字。
- 減価償却費 設備の値段を使う年数で割って、毎年少しずつ費用にするもの。現金は出ていかない。
- 営業キャッシュフロー 本業で実際に入ってきた現金。利益と違い、ごまかしが効きにくい数字。
- のれん 買収で相手の純資産を超えて払った上乗せ分。うまくいかないと減損として一気に消える。
- 最終更新
- 2026-09-16