カブシルベ KABUSHIRUBE
株を学ぶ / 相場の俗語

チキン利食い

少し上がっただけで怖くなって売ること。損は小さいが、利益も小さいまま終わる。

ひとことで言うと

少し上がっただけで怖くなって売ってしまうことです。

もう少しくわしく

チキン利食い少し上がっただけで売ってしまい、その後の大きな上昇を取り逃す形。 買値 株価 +6%で売る その後 +86%
株価損は小さく止められても、利益まで小さく止めてしまうと合計は増えない
+6%で売った後、株価は上がり続けて+86%になっています。損は小さく済みますが、利益も小さいまま終わります。説明のための模式図です。実在の銘柄・企業の数値ではありません。

チキンは臆病者のこと。怖くなって早々に利益を確定させることを指します。

なぜこうなるのか。含み益が減るのが怖いからです。

+6%の含み益が出ている状態で、株価が少し下げたとします。すると、

  • 「せっかくの利益が消えるかもしれない」
  • 「今のうちに確定させよう」

という気持ちが働きます。利益を守ろうとする行動です。

しかしこれは、損切り貧乏の裏返しでもあります。

行動 結果
損切り貧乏 少し下げただけで売る 小さな損を繰り返す
チキン利食い 少し上げただけで売る 小さな利益しか得られない

どちらも値動きに耐えられないことが原因です。

実際の数字で見る

100万円を投じ、同じ銘柄が86%上昇した場合です。

+6%で売った 最後まで持った
売値 106円 186円
利益 +6万円 +86万円
税引後 約4.8万円 約68.5万円
差 約63.7万円

同じ銘柄、同じタイミングで買っているのに、63.7万円の差がつきました。

さらに問題があります。この後、多くの人はこうします。

上がり続けるのを見て、もっと高いところで買い直す。

106円で売った株を、150円で買い直す。そして下げたら耐えられず売る。往復ビンタの入り口です。

ここに注意

「早く売るな」という意味ではありません。売る基準を持たずに売るな、という意味です。

+6%で売ること自体は、悪ではありません。あらかじめ「+6%で売る」と決めていたなら、それは計画どおりの実行です。

問題は、決めていなかった場合です。

判断か
「目標の+15%に達したから売る」 判断
「+6%になったが、怖いから売る」 判断ではない

後者は、その日の気分で決めています。同じ銘柄でも、機嫌の良い日と悪い日で結果が変わります。

対処は、買う前に売る条件を決めることです。

  • 「+20%で半分売り、残りは業績が崩れるまで持つ」
  • 「PERが20倍を超えたら売る」
  • 「営業利益が2期続けて減ったら売る」

決めておけば、途中の値動きに反応する必要がありません。

もう一つ、根本的な対処があります。

投じる金額を減らすことです。

100万円の+6%(6万円)が消えるのが怖いなら、それはその人にとって大きすぎる金額です。20万円なら、+6%は1.2万円。消えても耐えられます。

チキン利食いも損切り貧乏も、金額が大きすぎることが原因であることがほとんどです。

そして最後に一つ。

チキン利食いを直そうとして、今度は売れなくなる人がいます。

「早く売るのはダメだ」と考えすぎると、売る条件に達しても売れなくなります。 それは握力ではなく、ただの判断停止です。

直すべきは早いか遅いかではなく、決めてから買っているかどうかです。

関連する言葉

  • 利確(利益確定) 含み益が出ている株を売って、利益を現実のものにすること。売るまで利益は存在しない。
  • 握力(あくりょく) 株価が動いても売らずに持ち続ける精神力のこと。「握力が強い」などと使う。
  • コツコツドカン 小さな利益を積み上げた後、一度の大きな損ですべて失うこと。勝率が高くても負ける形。
  • 頭と尻尾はくれてやれ 最安値と最高値を狙わず、真ん中だけ取れば十分という戒め。欲張ると両方逃す。
最終更新
2026-09-16