利確(利益確定)
含み益が出ている株を売って、利益を現実のものにすること。売るまで利益は存在しない。
ひとことで言うと
値上がりした株を売って、利益を現実のお金にすることです。
もう少しくわしく
利益確定の略で、利食い(りぐい)とも言います。
ここで、株を始めた人が最初に理解すべきことがあります。
売るまで、利益は存在しません。
株価が1,000円から1,500円になったとき、証券口座の画面には「+50,000円」と表示されます。これは含み益です。まだ受け取っていない、見込みの利益にすぎません。
翌日1,200円に下がれば、その表示は「+20,000円」に変わります。3万円が消えたわけではなく、最初から存在していなかったのです。
利益が自分のものになるのは、売って現金化した瞬間だけです。
損切りが「損を確定させる」行為であるのに対し、利確は「利益を確定させる」行為です。どちらも確定させるという点で同じです。
実際の数字で見る
100万円を投じて、株価が50%上がった場合を見ます。
| 金額 | |
|---|---|
| 投資額 | 1,000,000円 |
| 含み益 | +500,000円 |
| 売却代金 | 1,500,000円 |
| 税金(20.315%) | -101,575円 |
| 手元に残る利益 | 398,425円 |
画面に表示されていた50万円のうち、実際に手元に残るのは約40万円です。
利益には税金がかかります。含み益の段階では課税されません。 売った瞬間に課税されます。
この点は、次の判断につながります。
| 選択A:すぐ売る | 選択B:持ち続ける | |
|---|---|---|
| 税金 | 今払う | 先送りできる |
| 値下がりリスク | なし | ある |
NISA口座であれば、この税金はかかりません。
ここに注意
利確で最も多い失敗は「早すぎる利確」です。損切りとは逆の性質があります。
人間には、利益は早く確定させたくなり、損失は先延ばしにしたくなるという傾向があります。行動経済学ではよく知られた性質です。
その結果、次のことが起こります。
| 行動 | 結果 | |
|---|---|---|
| 上がった株 | +10%ですぐ売る | 利益は小さい |
| 下がった株 | 「戻るまで待つ」 | 損失は大きくなる |
小さな利益を何度も取り、大きな損を1回抱える。これでは全体として負けます。
勝率が7割でも、負けた3割の損失が大きければ、合計は赤字になります。
| 回数 | 1回あたり | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 勝ち | 7回 | +5万円 | +35万円 |
| 負け | 3回 | -20万円 | -60万円 |
| 合計 | -25万円 |
7割勝っているのに、25万円の負けです。
この形を避けるには、買う前に売る条件を決めておくことです。
- 目標とする株価に達したら売る
- 買った理由(業績の改善など)が崩れたら売る
- 一定の割合まで下がったら売る(逆指値)
決めていなければ、株価が動くたびに気持ちで判断することになります。上がれば「もっと上がるかも」、下がれば「戻るかも」。 どちらも判断ではなく、願望です。
もう一つ、実務的な方法があります。分割して売るという考え方です。
| 内容 | |
|---|---|
| +20%になったら | 半分を売る |
| 残り半分 | そのまま持つ |
半分を売った時点で、元手はほぼ回収できます。残りは値下がりしても痛手が小さく、上がればさらに利益が伸びます。
「全部売るか、全部持つか」の二択で考えないことが、判断を楽にします。
関連する言葉
- 損切り(ロスカット) 損が出ている株を売って、損失を確定させること。傷が広がる前に止める行為。
- 握力(あくりょく) 株価が動いても売らずに持ち続ける精神力のこと。「握力が強い」などと使う。
- 押し目(おしめ) 上昇が続いている途中で起きる、一時的な下げのこと。買いの機会とされる。
- テンバガー 株価が10倍になった銘柄のこと。米国の投資家ピーター・リンチが広めた言葉。
- 最終更新
- 2026-09-16