頭と尻尾はくれてやれ
最安値と最高値を狙わず、真ん中だけ取れば十分という戒め。欲張ると両方逃す。
ひとことで言うと
いちばん安いところといちばん高いところは諦めて、真ん中だけ取れば十分という教えです。
もう少しくわしく
魚をさばくとき、頭と尻尾は落とします。身のある真ん中だけ食べればよい。そこから来た言い方です。
投資に当てはめるとこうなります。
- 尻尾 … いちばん安いところ。ここで買おうとすると買えない
- 頭 … いちばん高いところ。ここで売ろうとすると売り逃す
- 真ん中 … 上がり始めてから、上がりきる前まで
なぜ頭と尻尾を狙うと失敗するのか。理由は明快です。
どちらも、過ぎてからでないと分からないからです。
底で買おうとすれば、下げ続けるのを見て「まだ下がる」と思い、買えません。天井で売ろうとすれば、上げ続けるのを見て「まだ上がる」と思い、売り時を逃します。
実際の数字で見る
株価が900円から1,570円まで上がった場面です。
| 狙い方 | 買値 | 売値 | 利益率 |
|---|---|---|---|
| 理想(頭と尻尾を取る) | 900円 | 1,570円 | +74% |
| 真ん中を取る | 1,040円 | 1,450円 | +39% |
| 欲張って外す | 買えない | — | 0% |
| 欲張って持ち続ける | 1,040円 | 1,050円 | +1% |
理想は74%ですが、それを狙って失敗すれば0%か1%です。
確実に取れる39%のほうが、狙って外す74%より価値があります。
そして重要な点があります。39%は十分に大きい数字です。 年39%の利益が出れば、2年で資産は2倍近くになります。
ここに注意
この戒めは「早く売れ」という意味ではありません。
よくある誤解です。頭を諦めることと、少し上がったらすぐ売ることはまったく違います。
| 内容 | |
|---|---|
| 頭をくれてやる | 目標の水準に達したら売る。天井は狙わない |
| 早すぎる利確 | +5%で怖くなって売る。目標に達していない |
後者は握力が足りないだけであり、この戒めとは関係ありません。
では、真ん中とはどこか。あらかじめ決めた水準です。
- 「PERが20倍になったら売る」
- 「買値から40%上がったら売る」
- 「業績の伸びが止まったら売る」
決めておけば、天井かどうかを考える必要がありません。決めた水準に達したら、そこが自分にとっての頭です。
もう一つ、この戒めが効く別の場面があります。
買うときも同じです。
底を待って買えないより、上がり始めたのを確認してから買うほうが確実です。底から10%上がったところで買っても、そこから2倍になれば同じことです。
「もう少し下がったら買おう」と待ち続けて、結局買えなかった。これを押し目待ちに押し目なしと言います。頭と尻尾を諦めるとは、この状態を避けることでもあります。
最後に、当サイトの姿勢を書いておきます。
当サイトは、底や天井を当てる分析をしていません。 財務データから「今この値段が、この会社の中身に対して割安か」を示すだけです。
いつ買っていつ売るかは、読者が自分の基準で決めることです。その基準を、買う前に決めておいてください。
関連する言葉
- 利確(利益確定) 含み益が出ている株を売って、利益を現実のものにすること。売るまで利益は存在しない。
- 握力(あくりょく) 株価が動いても売らずに持ち続ける精神力のこと。「握力が強い」などと使う。
- 高値掴み(たかねづかみ) 株価が一番高いところで買ってしまい、その後の下落に巻き込まれること。
- 押し目(おしめ) 上昇が続いている途中で起きる、一時的な下げのこと。買いの機会とされる。
- 最終更新
- 2026-09-16