コツコツドカン
小さな利益を積み上げた後、一度の大きな損ですべて失うこと。勝率が高くても負ける形。
ひとことで言うと
小さな利益をコツコツ積み上げた後、一度のドカンですべて失うことです。
もう少しくわしく
この形になる人の行動には、はっきりした特徴があります。
| 場面 | 行動 |
|---|---|
| 利益が出た | +3%ですぐ売る(減るのが怖い) |
| 損が出た | 売らない(確定させたくない) |
つまり利益は小さく確定させ、損は確定させないという一貫した偏りです。
その結果、次のことが起きます。
- 勝ちは何度もある。しかし1回あたりが小さい
- 負けは少ない。しかし1回が致命的
そして最後に、抱え続けた含み損が限界を超えて一度に確定します。それが「ドカン」です。
この偏りは、人間に共通する傾向です。利益は確実に受け取りたく、損失は先送りしたくなる。 行動経済学でよく知られた性質で、意志の弱さではありません。
実際の数字で見る
勝率88%でも負ける例です。
| 回数 | 1回あたり | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 勝ち | 22回 | +2.5% | +56% |
| 負け | 1回 | -41% | -41% |
23回中22回勝っています。勝率は約96%です。
しかし資産は、100万円 → 156万円 → 92万円。元手を割り込みました。
ここで気づいてほしいのは、勝率がまったく意味を持っていないことです。
投資の成績を決めるのは次の式です。
勝ちの大きさ × 勝つ回数 − 負けの大きさ × 負ける回数
勝率はこの式の一部でしかありません。1回あたりの大きさのほうが効きます。
ここに注意
対処は「損を早く切る」だけではありません。「利益を伸ばす」ことも同じくらい重要です。
コツコツドカンを直そうとすると、多くの人は損切りを早くします。それは正しいのですが、それだけでは損切り貧乏になります。
| 直すべきこと | |
|---|---|
| 損の側 | 大きくなる前に確定させる |
| 利益の側 | 小さいうちに確定させない |
両方を直さないと、今度は「コツコツ負けて、たまに小さく勝つ」形になります。
具体的には、損と利益の比率を先に決めてください。
1回で失ってよい額の、2倍以上の利益を狙う。
- 損切りは買値の8%下
- 利益の目標は買値の16%以上
この比率なら、勝率が40%でも合計はプラスになります。
| 回数 | 1回あたり | 合計 | |
|---|---|---|---|
| 勝ち | 4回 | +16% | +64% |
| 負け | 6回 | -8% | -48% |
| 合計 | 10回 | +16% |
勝率40%で勝てます。 これが「勝率より比率」という意味です。
そしてもう一つ、より根本的な対処があります。
1回に投じる金額を小さくすることです。
ドカンが致命傷になるのは、その1回に大きすぎる金額を投じているからです。資産の5%しか投じていなければ、41%の損失は資産の2%にすぎません。
コツコツドカンは、技術の問題である前に金額の決め方の問題です。
関連する言葉
- 損切り(ロスカット) 損が出ている株を売って、損失を確定させること。傷が広がる前に止める行為。
- 利確(利益確定) 含み益が出ている株を売って、利益を現実のものにすること。売るまで利益は存在しない。
- ポジションサイズ 1回の取引にいくら投じるかの決め方。銘柄選びより結果を左右する。
- 損切り貧乏 小さな損切りを繰り返した結果、少しずつ資金を減らしてしまう状態。
- 最終更新
- 2026-09-16