特別気配(値段がつかないとき)
買いか売りに注文が偏って値がつかない状態。値段は段階的にしか動かない。
ひとことで言うと
注文が一方に偏りすぎて、値段がつかなくなっている状態です。
もう少しくわしく
株の値段は、買いたい人と売りたい人の数が釣り合ったところで決まります。
しかし、良いニュースや悪いニュースが出ると、片側に注文が偏ります。
| 状態 | 起きること |
|---|---|
| 買いが極端に多い | 売る人がいないので値がつかない |
| 売りが極端に多い | 買う人がいないので値がつかない |
このとき、取引所は特別気配を表示します。「いまこの値段で釣り合いを探しています」という掲示です。
そして、値段は一気には動きません。
決められた幅ずつ、段階的に引き上げ(引き下げ)ていきます。
この幅を更新値幅といいます。株価の水準ごとに決まっています。
なぜ段階を踏むのか。急に飛ばすと、混乱が大きくなるためです。少しずつ動かして、その値段で売る人(買う人)が現れるのを待ちます。
現れなければ、また上げる。これを繰り返します。そしてストップ高(ストップ安)まで行くと、それ以上は動きません。
実際の数字で見る
前日終値1,000円の銘柄に、朝から買いが殺到したとします。
| 時刻 | 気配値 | 状態 |
|---|---|---|
| 9:00 | 1,050円 | 特別買い気配 |
| 9:03 | 1,100円 | まだ売りが足りない |
| 9:08 | 1,150円 | まだ足りない |
| 9:15 | 1,200円 | 売りが出て、ようやく約定 |
15分間、1株も売買されていません。
この間、株価は「1,000円」のままです。しかし1,000円で買うことはできません。 買えるとしたら1,200円です。
ここで多くの人が誤解します。
「まだ1,000円だから、いま買おう」
買えません。 表示されているのは前日の終値であって、いま買える値段ではありません。
逆の場合も同じです。悪いニュースで売りが殺到すれば、売りたくても売れません。
| 時刻 | 気配値 |
|---|---|
| 9:00 | 950円(特別売り気配) |
| 9:10 | 880円 |
| 9:30 | 800円で約定 |
900円で売る注文を出していても、約定しません。 値段がそこを通らないためです。
ここに注意
逆指値を入れていても、思った値段では売れません。
これが最も実際的な注意点です。
逆指値は「この値段に達したら注文を出す」仕組みです。「この値段で売る」ではありません。
| 想定 | 実際 | |
|---|---|---|
| 950円で逆指値 | 950円で売れる | 800円で売れる |
寄り付きで大きく飛んだ場合、その飛んだ値段で約定します。 決算発表の翌朝は、これが起こりやすい場面です。
もう3つ、知っておいてください。
1. ストップ高で買えるとはかぎりません。
ストップ高のまま1日が終わることをストップ高張り付きといいます。買い注文を出していても、売る人がいなければ約定しません。
このとき、約定するかどうかは比例配分という方法で決まります。証券会社ごとに株数が割り振られ、その中で分けられます。注文を出した順ではありません。
2. 連日続くことがあります。
大きな材料が出ると、数日続けてストップ高(ストップ安)になることがあります。ストップ安が続けば、その間ずっと売れません。
「下がったら売ろう」と考えていても、売る機会がないまま資産が減り続けます。
3. 値幅制限が拡大されることがあります。
連続してストップ高(安)が続くと、取引所が値幅制限を広げることがあります。1日で動ける幅が大きくなるので、さらに変動が激しくなります。
そのうえで、実際にできる対処を書きます。
成行注文を使わないでください。
特別気配のときに成行で注文を出すと、どの値段で約定するか分かりません。 ストップ高で買ってしまうこともあります。
決算発表をまたぐ株数を、耐えられる大きさにしておいてください。
飛んでしまえば、注文では対処できません。対処できるのは、飛ぶ前に持ち高を決めておくことだけです。
関連する言葉
- ストップ高・ストップ安 1日に動ける値幅の上限と下限。これに達すると、売りたくても売れないことがある。
- ストップ高張り付き ストップ高のまま値が動かない状態。買いたくても買えず、売る側も売れない。
- 気配値(けはいね) まだ売買が成立していない状態で示される、注文が並んでいる値段のこと。
- 板(いた) 買いたい人と売りたい人の注文が、値段ごとに並んでいる一覧表のこと。
- 約定 売買が成立すること。注文を出した時点ではまだ成立していない。
- 最終更新
- 2026-09-17