株を学ぶ / 制度・仕組み
自社株買い
会社が自分の会社の株を市場から買い戻すこと。1株あたりの価値が高まる。
ひとことで言うと
会社が自分の株を買い戻すことです。株主にとっては好材料とされます。
もう少しくわしく
10人で分けていたピザを、会社が2人分を買い取って処分すると、残り8人の取り分が増えます。
自社株買いはこれと同じです。市場に出回る株が減るので、1株あたりの利益(EPS)が増え、1株あたりの価値が高まります。
会社が自社株買いをする理由は主に3つです。
- 余った現金の使い道として、株主に還元する
- 株価が安すぎると会社自身が判断している
- ROEなどの指標を改善したい
配当と並ぶ「株主還元」の手段で、近年の日本企業では増えています。
実際の数字で見る
発行済み1億株・利益100億円の会社が、1,000万株を買い戻した場合。
| 買い戻し前 | 買い戻し後 | |
|---|---|---|
| 発行済株式数 | 1億株 | 9,000万株 |
| 当期純利益 | 100億円 | 100億円 |
| EPS | 100円 | 111円 |
利益は1円も増えていないのに、1株あたりの利益は11%増えました。 株価も同じ理屈で上がりやすくなります。
ここに注意
自社株買いは、必ずしも良いことではありません。
① 成長への投資をしていない裏返しかもしれない
事業を伸ばす使い道が見つからないから、株主に返している。そう読むこともできます。成長中の会社は、現金を新しい工場や研究に使います。 自社株買いが多い会社は、成長段階を過ぎているとも言えます。
② 借金をして自社株買いをする会社がある
借入で自社株を買えば、EPSもROEも上がります。しかし自己資本比率は下がり、財務は弱くなります。 数字はよくなっても、会社の安全性は落ちています。
③ 発表しても実行しない場合がある
「上限◯億円」と発表しながら、実際にはほとんど買わない例があります。発表と実績は別です。
好材料として発表直後に株価が上がりやすいため、飛びつきたくなりますが、なぜ買い戻すのか、どこからお金を出すのかを確認してください。
関連する言葉
- EPS(1株あたり利益) 会社の利益を株の数で割った数字。株1つが1年でいくら稼いだかを表す。
- ROE(自己資本利益率) 株主から預かったお金を使って、1年でどれだけ利益を出せたかを示す割合。
- 配当利回り 今の株価で買った場合、1年でもらえる配当が何%にあたるかを示す数字。
- 配当性向 会社が稼いだ利益のうち、何%を配当として株主に配ったかを示す割合。
- 最終更新
- 2026-09-16