制度信用と一般信用の違い
信用取引の2つの種類。期限、費用、逆日歩の有無が違う。
ひとことで言うと
信用取引には2種類あり、期限と費用のかかり方が違います。
もう少しくわしく
信用取引を始めるとき、どちらで建てるかを選びます。 画面に「制度」「一般」という選択肢が出ます。
| 制度信用 | 一般信用 | |
|---|---|---|
| ルールを決めるのは | 取引所 | 証券会社 |
| 返済期限 | 原則6か月 | 各社が決める(無期限もある) |
| 逆日歩 | 発生することがある | 発生しない |
| 貸株料(売りの場合) | 比較的安い | 高めのことが多い |
| 対象銘柄 | 取引所が選んだ銘柄のみ | 各社が決める |
いちばん大きな違いは、逆日歩です。
逆日歩とは、空売りが増えすぎて株が足りなくなったときにかかる追加の費用です。制度信用でのみ発生します。
そして、いくらかかるか事前に分かりません。 1株あたり数円のこともあれば、数十円になることもあります。
一般信用は、証券会社が自分で調達した株を貸します。在庫がなければ売れませんが、逆日歩は発生しません。
実際の数字で見る
100株を空売りして、5日間持った場合の費用を比べます。株価は3,000円とします。
| 制度信用 | 一般信用(短期) | |
|---|---|---|
| 貸株料の率(年) | 1.15%程度 | 3.9%程度 |
| 5日分の貸株料 | 約47円 | 約160円 |
| 逆日歩 | 0円〜不明 | 0円 |
平常時なら、制度信用のほうが安く済みます。
しかし、権利確定日をまたいだ場合はこうなります。
| 金額 | |
|---|---|
| 貸株料 | 約47円 |
| 逆日歩が1株5円ついた | 500円 |
| 合計 | 約547円 |
逆日歩が1株20円なら、2,000円です。
過去には、1株あたり数百円の逆日歩がついた例もあります。 100株なら数万円です。
これが、優待クロスで一般信用が使われる理由です。優待の価値が3,000円なのに、逆日歩で1万円払っては意味がありません。
ここに注意
一般信用は「在庫があれば」使えるものです。
証券会社が貸せる株数には限りがあります。 人気の優待銘柄では、権利確定日の直前に在庫が一瞬でなくなります。
| 時期 | 在庫 |
|---|---|
| 権利確定日の1か月前 | ある程度ある |
| 権利付最終日の数日前 | 人気銘柄は消える |
| 権利付最終日の当日 | ほぼない |
「当日に取ればいい」とはいきません。
もう4つ、注意点があります。
1. 一般信用にも種類があります。
証券会社によって、無期限・短期(14日程度)・1日などに分かれます。期限と貸株料が違います。
優待クロスに使うなら短期や1日のものが使われますが、呼び名も条件も会社ごとに違います。 必ずその会社の説明を読んでください。
2. 制度信用の6か月は、必ず来ます。
「まだ戻ると思うから持ち続けたい」と思っても、期限が来れば決済されます。 判断ではなく制度で売らされます。
一般信用の無期限なら、この制約はありません。ただし貸株料が毎日かかり続けます。
3. 株主優待や配当の扱いが違います。
空売りをしている側は、権利確定日をまたぐと配当相当額を支払うことになります。買い建ての側は受け取ります。
優待クロスは、現物で優待を受け取り、信用売りで値下がりを打ち消すやり方です。配当については、受け取る額と支払う額で差が出ることがあります。税金の扱いも異なります。
4. 品貸料・逆日歩は、後から確定します。
逆日歩がいくらになるかは、その日の取引が終わった後に決まります。建てる時点では分かりません。
「今日は逆日歩がつかないだろう」という予想は、外れることがあります。
そして、初心者の方への実際的な助言を書いておきます。
信用取引を使わないなら、この違いを覚える必要はありません。
現物取引だけで投資はできます。信用取引は、損失が投じた額を超えることがある取引です。
使うと決めたときに、初めてこの違いを調べてください。そしてまず一般信用で、逆日歩のない形から始めるほうが、想定外の費用を避けられます。
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- 最終更新
- 2026-09-17