流動比率
1年以内に払う負債を、1年以内に現金化できる資産で賄えるかを見る割合。
ひとことで言うと
1年以内に払わなければならないお金を、1年以内に用意できるお金で賄えるかを示す割合です。
もう少しくわしく
流動比率 = 流動資産 ÷ 流動負債 × 100
用語を整理します。
| 言葉 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 流動資産 | 1年以内に現金にできる財産 | 現金、預金、売掛金、在庫 |
| 流動負債 | 1年以内に払う必要がある負債 | 買掛金、短期借入金、未払金 |
家計にたとえます。来月までに払う請求が20万円、すぐ使える預金が34万円なら、流動比率は170%です。払える状態です。
預金が15万円しかなければ75%。どこかから工面しなければなりません。
会社が倒れるのは、赤字だからではありません。払うべきお金を、払う日に払えなくなったときです。流動比率は、そこを見る数字です。
目安は次のとおりです。
| 流動比率 | 見方 |
|---|---|
| 200%以上 | 余裕がある |
| 120〜200% | 一般的な水準 |
| 100〜120% | やや注意 |
| 100%未満 | 1年以内の支払いを賄えていない |
実際の数字で見る
| A社 | B社 | |
|---|---|---|
| 流動資産 | 840億円 | 340億円 |
| 流動負債 | 400億円 | 400億円 |
| 流動比率 | 210% | 85% |
B社は、1年以内に400億円払う必要があるのに、1年以内に用意できるのが340億円です。60億円足りません。
ただし、これだけで「危ない」と決めるのは早すぎます。B社が毎年安定して営業キャッシュフローを稼いでいるなら、その年の稼ぎで賄えます。流動比率は、あくまで決算日という一時点の断面です。
ここに注意
流動資産の中身によって、意味がまったく変わります。
流動資産には、現金化しやすいものと、しにくいものが混ざっています。
| 中身 | 現金にしやすいか |
|---|---|
| 現金・預金 | そのまま使える |
| 売掛金 | 回収できれば現金になる。回収できるとは限らない |
| 棚卸資産(在庫) | 売れなければ現金にならない |
流動比率180%でも、その大半が売れない在庫なら、実際には払えません。
そこで、在庫を除いて計算する指標があります。
当座比率 =(流動資産 − 棚卸資産)÷ 流動負債 × 100
流動比率と当座比率の差が大きい会社は、在庫に頼った流動資産だということです。
| 流動比率 | 当座比率 | 見方 | |
|---|---|---|---|
| C社 | 180% | 165% | 中身が現金や売掛金 |
| D社 | 180% | 72% | 中身の大半が在庫 |
数字は同じでも、D社のほうが危うい状態です。
もう一つ、業種による違いがあります。
小売業や飲食業は、流動比率が低くても問題ないことが多いです。理由は、商品を現金で売り、仕入れ代は後払いだからです。手元に現金が入る速度が速いため、比率が低くても資金は回ります。
逆に建設業や造船業は、工事が完成するまで代金が入りません。流動比率が高くても、実態は資金繰りが厳しいことがあります。
比べる相手は、同じ業種の会社と、その会社自身の過去です。
なお、当サイトが表示している財務データには流動比率を含めていません。EDINETから取得できる項目を優先した結果です。確認したい場合は、有価証券報告書の貸借対照表を見てください。
関連する言葉
- 自己資本比率 会社の財産のうち、借金でない部分がどれだけあるかを示す割合。高いほど倒れにくい。
- 有利子負債 利息を払う必要がある借金。多すぎると、金利が上がったときに利益を削られる。
- 営業キャッシュフロー 本業で実際に入ってきた現金。利益と違い、ごまかしが効きにくい数字。
- 棚卸資産(在庫) まだ売れていない商品や材料。増えすぎると、利益が出ていても現金が減っていく。
- 最終更新
- 2026-09-16