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株を学ぶ / 基礎指標

ROA(総資産利益率)

会社が持つ資産全体で、どれだけ利益を生んだかを示す割合。借金の影響を受けないROE。

ひとことで言うと

会社が使っているお金全部に対して、どれだけ利益を生んだかを示す割合です。

もう少しくわしく

ROAは Return On Assets の略。日本語では総資産利益率です。

ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100

総資産とは、会社が使っているお金の全部です。自分のお金(純資産)と、借りたお金(負債)の合計になります。

ラーメン屋にたとえます。

  • 自己資金 … 500万円
  • 銀行からの借入 … 500万円
  • 店の設備や運転資金の合計 … 1,000万円(=総資産)

この1,000万円を使って年に80万円稼いだなら、ROAは8%です。

ROEとの違いは、分母に借金を含めるかどうかです。

分母 意味
ROE 純資産(自分のお金だけ) 株主のお金をどれだけ増やしたか
ROA 総資産(借金も含む) 使っているお金全体の効率

実際の数字で見る

2つの会社を比べます。どちらも当期純利益は10億円です。

A社 B社
当期純利益 10億円 10億円
純資産 50億円 20億円
負債 50億円 180億円
総資産 100億円 200億円
ROE 20% 50%
ROA 10% 5%

ROEだけを見ると、B社のほうが2倍以上優秀に見えます。

しかしROAで見ると、A社のほうが2倍効率が良いという逆の結果になります。

差の正体は借金です。B社は180億円を借りて事業をしています。借金を増やせばROEは上がります。 分母の純資産が小さいままで、事業の規模だけ大きくできるからです。

ROAはこの操作が効きません。借りたお金も分母に入るためです。

ここに注意

ROEが高い会社を見たら、必ずROAもあわせて確認してください。

ROEは、経営者が意識して高く見せられる数字です。方法は2つあります。

  • 借金を増やす … 分母の純資産は変わらず、事業だけ拡大できる
  • 自社株買いをする … 純資産そのものを減らせる

どちらも本業の稼ぐ力を高めたわけではありません。数字の見た目だけが良くなります。

上のB社のように、ROE50%でROA5%という組み合わせは要注意です。これは「大量に借金をして事業を回している」状態です。景気が良いうちは大きく稼げますが、業績が悪化すると利払いが重くのしかかります。

一方で、ROAの水準は業種によって大きく違います。

業種 ROAの傾向
ソフトウェア、サービス 高い(大きな設備が要らない)
医薬品 高い
製造業、鉄道、電力 低い(巨額の設備を持つ)
銀行 極端に低い(預金が負債として計上される)

銀行のROAが1%未満なのは異常ではありません。 預かったお金が総資産に入るため、構造的にそうなります。

したがってROAは、同じ業種の会社どうしで比べるのが正しい使い方です。業種をまたいで比較しても意味がありません。

この数字を、実際の上場企業で見る

3,656社・2026-10-30時点

いま決算の数字がそろっている上場企業3,656社で見ると、ROAの真ん中(中央値)は4.1%です。

半分の会社が1.8%から7.0%のあいだに入っています。

極端に大きい・小さい値の会社(上下5%ずつ、計366社)は、図が読めなくなるため図からは外しています。上の中央値や範囲には含めています。

ROAの分布ROAごとの会社の数。-9.6%が22社、-7.3%が49社、-5.0%が50社、-2.6%が98社、-0.3%が599社、2.1%が967社、4.4%が715社、6.8%が431社、9.1%が236社、11.5%が123社。合計3290社。 22 -9.6% 49 -7.3% 50 -5.0% 98 -2.6% 599 -0.3% 967 2.1% 715 4.4% 431 6.8% 236 9.1% 123 11.5% 社

業種によって「ふつう」が違う

ROAの中央値が高い業種と低い業種です(ROAが出ている会社が10社以上ある業種のみ)。 同じ数字でも、業種によって高い・低いの意味が変わります。

業種中央値社数
情報・通信業6.7%597社
精密機器5.6%51社
ゴム製品5.5%16社
⋮
医薬品-1.0%79社
銀行業0.3%79社
その他金融業2.0%37社

よく知られた会社は、どのあたりにいるか

時価総額の大きい順に5社。業績の良し悪しで選んだものではありません。

会社ROA全体の中での位置
トヨタ自動車 3.6%下位45%
三菱UFJフィナンシャル・グループ 0.6%下位16%
リクルートホールディングス 17.8%上位2%
ソフトバンクグループ 8.2%上位18%
アドバンテスト 32.0%上位1%

関連する言葉

  • ROE(自己資本利益率) 株主から預かったお金を使って、1年でどれだけ利益を出せたかを示す割合。
  • 自己資本比率 会社の財産のうち、借金でない部分がどれだけあるかを示す割合。高いほど倒れにくい。
  • 営業利益 本業だけで稼いだ利益。会社の実力を最も素直に表す数字。
  • PER(株価収益率) 会社が1年で稼ぐ利益に対して、株価が何倍かを示す数字。低いほど割安とされる。
最終更新
2026-09-16