ポジポジ病
常に何かを持っていないと落ち着かない状態。取引の回数が増えるほど費用がかさむ。
ひとことで言うと
何も持っていない状態が落ち着かず、いつも何か買ってしまうことです。
もう少しくわしく
ネットで生まれた言葉です。ポジション(持っている株)を常に持ちたがることから、こう呼ばれます。
症状は次のようなものです。
- 売った直後に、別の銘柄を買ってしまう
- 買う理由が「特にないが、何も持っていないのが落ち着かない」
- 相場が動いている日に、参加していないと損した気がする
- 休むと決めた翌日に買っている
これは性格の問題ではありません。誰にでも起こります。
理由は単純です。
持っていない間は、何も起きないためです。
株を持っていれば、値動きがあります。上がれば嬉しく、下がれば悔しい。何かが起きている感じがします。
持っていなければ、何も起きません。上がっても下がっても自分には関係ない。 これが耐えがたくなります。
つまり、この病が満たしているのは利益への欲求ではなく、退屈への耐えられなさです。
実際の数字で見る
取引の回数が増えると、何が起きるか。費用です。
1回の売買で、往復0.3%の費用がかかるとします(手数料とスプレッドの合計)。
| 年間の売買回数 | 費用の合計 |
|---|---|
| 4回 | 1.2% |
| 12回 | 3.6% |
| 50回 | 15.0% |
| 100回 | 30.0% |
年に100回売買すると、それだけで元手の3割が消えます。
さらに、利益が出た分には税金がかかります。
| 金額 | |
|---|---|
| 1回の利益 | +10,000円 |
| 税金(20.315%) | −2,031円 |
| 手取り | 7,969円 |
そして損が出た回は、税金は戻ってきません(同じ年の利益とは相殺できますが、それだけです)。
勝ったときは2割引かれ、負けたときは満額引かれます。 回数を重ねるほど、この非対称が効いてきます。
100万円を年100回売買した場合と、年4回の場合を比べます。
| 費用 | 残る元手 | |
|---|---|---|
| 年4回 | 1.2万円 | 98.8万円 |
| 年100回 | 30万円 | 70万円 |
判断の中身がまったく同じでも、30万円の差がつきます。
ここに注意
「何もしない」ことを、判断として数えてください。
多くの人が、投資の判断を「買うか、売るか」の2つだと考えます。実際には3つあります。
| 判断 | 中身 |
|---|---|
| 買う | 根拠がある |
| 売る | 根拠がある |
| 何もしない | 根拠がないと分かっている |
3つ目がいちばん難しく、そしていちばん使われていません。
休むも相場という古い格言は、まさにこれを言っています。
対処の方法を3つ挙げます。
1. 買う条件を、紙に書いておく。
「PERが15倍以下」「営業利益が3期連続で増えている」など、具体的な条件を先に決めます。条件を満たす銘柄がなければ、買いません。
これで「なんとなく買う」ができなくなります。
2. 現金も持ち高だと考える。
「ノーポジ」は何も持っていない状態ではありません。現金を100%持っている状態です。
相場が高いときに現金を持つのは、立派な判断です。下げたときに買える人は、現金を持っていた人だけです。
3. 売買の記録をつける。
いつ、いくらで、なぜ買ったかを記録します。1か月後に読み返すと、「なんとなく」買った回がはっきり分かります。
そして、ここまで書いたうえで、大事なことを1つ。
この症状が出るのは、たいてい負けを取り返そうとしているときです。
損切りした直後に別の銘柄を買う。これは分散でも機会追求でもなく、取り返そうとしているだけのことがあります。
そういうときは、いちど画面を閉じてください。相場は明日もあります。 逃した機会は取り返せますが、失った資金は取り返せません。
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- 最終更新
- 2026-09-17