ピボット
前日の高値・安値・終値から、その日の目安となる水準を計算したもの。
ひとことで言うと
前日の値動きから、その日に意識されそうな水準を計算したものです。
もう少しくわしく
ピボットとは「回転の軸」という意味です。そこを中心に値が動くという考え方から来ています。
計算の中心になるのがPP(ピボットポイント)です。
PP =(前日の高値 + 前日の安値 + 前日の終値)÷ 3
前日の値動きの代表値にあたります。
そこから、上下の水準を計算します。
| 名前 | 計算 | 意味 |
|---|---|---|
| R2 | PP +(高値 − 安値) | 上の2番目 |
| R1 | 2 × PP − 前日安値 | 上の1番目 |
| PP | (高値+安値+終値)÷ 3 | 基準 |
| S1 | 2 × PP − 前日高値 | 下の1番目 |
| S2 | PP −(高値 − 安値) | 下の2番目 |
Rはレジスタンス(抵抗)、Sはサポート(支持)の頭文字です。
使い方は単純です。
| 株価の位置 | 読み方 |
|---|---|
| PPより上 | その日は強い |
| PPより下 | その日は弱い |
| R1・R2に近づく | 上値が重くなる目安 |
| S1・S2に近づく | 下値が支えられる目安 |
実際の数字で見る
前日が高値1,050円・安値980円・終値1,020円だったとします。
まずPPを出します。
PP =(1,050 + 980 + 1,020)÷ 3 = 1,016.67円
そこから上下を計算します。
| 名前 | 計算 | 水準 |
|---|---|---|
| R2 | 1,016.67 +(1,050 − 980) | 1,086.67円 |
| R1 | 2 × 1,016.67 − 980 | 1,053.33円 |
| PP | 1,016.67円 | |
| S1 | 2 × 1,016.67 − 1,050 | 983.33円 |
| S2 | 1,016.67 −(1,050 − 980) | 946.67円 |
すべて前日の3つの数字だけから出ています。 当日の値動きは一切使っていません。
ここが、他の指標と違う点です。
| 計算に使うもの | |
|---|---|
| 移動平均線 | 過去25日など、長い期間 |
| RSI | 過去14日の値動き |
| ピボット | 前日1日だけ |
毎日、水準が引き直されます。 昨日のR1と今日のR1は、まったく違う値段です。
ここに注意
これは、その日のうちに売買する人のための指標です。
計算に使うのが前日1日だけなので、有効なのもその日だけです。
| 持つ期間 | ピボット |
|---|---|
| その日のうち | 本来の使い方 |
| 数週間 | ほとんど意味がない |
| 数年 | まったく意味がない |
このサイトは日々の売買を勧めていません。長く持つ投資には使えない指標だと、はっきり書いておきます。
それでも取り上げるのは、「なぜ値が止まるのか」を考える材料になるためです。
もう3つ、知っておいてください。
1. 計算式には種類があります。
上に書いたのは最も一般的なものですが、終値を2回使う式や、始値を含める式もあります。
| 呼び名 | 違い |
|---|---|
| クラシック | 上に書いたもの |
| ウッディー | 終値を重く見る |
| カマリラ | 係数が違う |
どの式で計算したものかによって、水準は変わります。 ツールが表示する数字を見るときは、確かめてください。
2. 前日が特殊な日だと使えません。
| 前日の状態 | 結果 |
|---|---|
| ストップ高で張り付いた | 値幅がないのでR・Sが意味をなさない |
| 祝日の谷間で出来高が極端に少ない | 代表値として機能しない |
| 決算発表の翌日 | 前日と状況が変わっている |
3. 当たっているように見えるのは、線が多いからです。
R2・R1・PP・S1・S2と、5本も引けば、どこかには当たります。 フィボナッチと同じ問題です。
「PPで反発した」と後から言うのは簡単です。その前に、どの線で止まるか予測できたかが問われます。
そのうえで、この指標から学べることを書いておきます。
前日の値動きは、翌日の目安として意識されている。
これ自体は、ピボットを使わなくても役に立つ考え方です。前日の高値・安値は、多くの人が見ています。そこに近づけば、売買が集まりやすくなります。
複雑な計算をしなくても、チャートで前日の高値と安値を確かめるだけで、同じことの大部分は分かります。
関連する言葉
- 支持線と抵抗線 何度も反発している下値と、跳ね返されている上値に引く線。多くの人が意識するため機能する。
- 寄り付きと大引け 取引の始まりと終わりのこと。この2つの時間帯に売買が集中し、値動きも大きくなる。
- ボックス相場(レンジ相場) 決まった上下の幅を行き来する形。抜けたときに動きが大きくなりやすい。
- フィボナッチ・リトレースメント 上げ幅の何%まで押したかを区切る線。どの高値と安値を選ぶかで位置が変わる。
- ザラ場 取引時間中の、寄り付きと大引けの間の時間帯。売買が連続して成立している状態。
- 最終更新
- 2026-09-17