カブシルベ KABUSHIRUBE
株を学ぶ / チャート

ピボット

前日の高値・安値・終値から、その日の目安となる水準を計算したもの。

ひとことで言うと

前日の値動きから、その日に意識されそうな水準を計算したものです。

もう少しくわしく

ピボットとは「回転の軸」という意味です。そこを中心に値が動くという考え方から来ています。

ピボット前日の高値・安値・終値から、その日の目安になる水準を計算した線。 R2 R1 PP(基準) S1 S2 株価
株価PPは前日の高値・安値・終値の平均。上のR、下のSはそこからの折り返しの目安とされる
前日の高値・安値・終値から計算した5本の水準。PPが基準になる。説明のための模式図です。実在の銘柄・企業の数値ではありません。

計算の中心になるのがPP(ピボットポイント)です。

PP =(前日の高値 + 前日の安値 + 前日の終値)÷ 3

前日の値動きの代表値にあたります。

そこから、上下の水準を計算します。

名前 計算 意味
R2 PP +(高値 − 安値) 上の2番目
R1 2 × PP − 前日安値 上の1番目
PP (高値+安値+終値)÷ 3 基準
S1 2 × PP − 前日高値 下の1番目
S2 PP −(高値 − 安値) 下の2番目

Rはレジスタンス(抵抗)、Sはサポート(支持)の頭文字です。

使い方は単純です。

株価の位置 読み方
PPより上 その日は強い
PPより下 その日は弱い
R1・R2に近づく 上値が重くなる目安
S1・S2に近づく 下値が支えられる目安

実際の数字で見る

前日が高値1,050円・安値980円・終値1,020円だったとします。

まずPPを出します。

PP =(1,050 + 980 + 1,020)÷ 3 = 1,016.67円

そこから上下を計算します。

名前 計算 水準
R2 1,016.67 +(1,050 − 980) 1,086.67円
R1 2 × 1,016.67 − 980 1,053.33円
PP 1,016.67円
S1 2 × 1,016.67 − 1,050 983.33円
S2 1,016.67 −(1,050 − 980) 946.67円

すべて前日の3つの数字だけから出ています。 当日の値動きは一切使っていません。

ここが、他の指標と違う点です。

計算に使うもの
移動平均線 過去25日など、長い期間
RSI 過去14日の値動き
ピボット 前日1日だけ

毎日、水準が引き直されます。 昨日のR1と今日のR1は、まったく違う値段です。

ここに注意

これは、その日のうちに売買する人のための指標です。

計算に使うのが前日1日だけなので、有効なのもその日だけです。

持つ期間 ピボット
その日のうち 本来の使い方
数週間 ほとんど意味がない
数年 まったく意味がない

このサイトは日々の売買を勧めていません。長く持つ投資には使えない指標だと、はっきり書いておきます。

それでも取り上げるのは、「なぜ値が止まるのか」を考える材料になるためです。

もう3つ、知っておいてください。

1. 計算式には種類があります。

上に書いたのは最も一般的なものですが、終値を2回使う式や、始値を含める式もあります。

呼び名 違い
クラシック 上に書いたもの
ウッディー 終値を重く見る
カマリラ 係数が違う

どの式で計算したものかによって、水準は変わります。 ツールが表示する数字を見るときは、確かめてください。

2. 前日が特殊な日だと使えません。

前日の状態 結果
ストップ高で張り付いた 値幅がないのでR・Sが意味をなさない
祝日の谷間で出来高が極端に少ない 代表値として機能しない
決算発表の翌日 前日と状況が変わっている

3. 当たっているように見えるのは、線が多いからです。

R2・R1・PP・S1・S2と、5本も引けば、どこかには当たります。 フィボナッチと同じ問題です。

「PPで反発した」と後から言うのは簡単です。その前に、どの線で止まるか予測できたかが問われます。

そのうえで、この指標から学べることを書いておきます。

前日の値動きは、翌日の目安として意識されている。

これ自体は、ピボットを使わなくても役に立つ考え方です。前日の高値・安値は、多くの人が見ています。そこに近づけば、売買が集まりやすくなります。

複雑な計算をしなくても、チャートで前日の高値と安値を確かめるだけで、同じことの大部分は分かります。

関連する言葉

  • 支持線と抵抗線 何度も反発している下値と、跳ね返されている上値に引く線。多くの人が意識するため機能する。
  • 寄り付きと大引け 取引の始まりと終わりのこと。この2つの時間帯に売買が集中し、値動きも大きくなる。
  • ボックス相場(レンジ相場) 決まった上下の幅を行き来する形。抜けたときに動きが大きくなりやすい。
  • フィボナッチ・リトレースメント 上げ幅の何%まで押したかを区切る線。どの高値と安値を選ぶかで位置が変わる。
  • ザラ場 取引時間中の、寄り付きと大引けの間の時間帯。売買が連続して成立している状態。
最終更新
2026-09-17