価格帯別出来高
どの値段でよく売買されたかを示す。多く売買された値段には、そこで買った人が多く残る。
ひとことで言うと
どの値段でたくさん売買されたかを、値段ごとに並べたものです。
もう少しくわしく
普通の出来高は、日ごとに棒が並びます。「何日にどれだけ売買されたか」です。
価格帯別出来高は、値段ごとに並びます。「いくらでどれだけ売買されたか」です。
なぜこれを見るのか。そこで買った人が、いま何をするかが分かるためです。
| 状態 | その値段で買った人 |
|---|---|
| 株価がその値段より上 | 含み益。まだ持っていたい |
| 株価がその値段より下 | 含み損。戻ったら売りたい |
つまり、たくさん売買された値段は、上から戻ってくると売りが出やすいということになります。
これが抵抗線が生まれる理屈の1つです。「なぜかこの値段で止まる」という水準には、そこで買った人がたくさんいることが多いのです。
逆に、ほとんど売買されていない値段の帯は、抜けると一気に進みます。売りたい人がいないためです。
実際の数字で見る
図の株価の動きを、値段の帯ごとに数えます。28日分です。
| 値段の帯 | その帯で終値がついた日数 |
|---|---|
| 116〜120円 | 5日 |
| 112〜116円 | 3日 |
| 108〜112円 | 2日 |
| 104〜108円 | 10日 |
| 100〜104円 | 8日 |
104〜108円に集中しています。 株価が長いあいだこの帯にとどまっていたためです。
ここから読めることは2つあります。
1. 104〜108円には、そこで買った人が多くいます。
いま株価は120円あたりです。この人たちは全員が含み益です。すぐには売りません。
しかし株価が下がってきて108円に近づくと、買値を割りそうだと感じた人が売り始めます。この帯が支持線として働くこともあれば、割ると一気に下げることもあります。
2. 108〜112円は、売買が少ない帯です。
わずか2日しかありません。この帯には持っている人が少ないため、上にも下にも動きが速くなりやすいと考えられます。
ここに注意
この図は、過去にどこで売買されたかしか示していません。
大事な限界があります。
その値段で買った人が、まだ持っているとはかぎりません。
104〜108円で買った人の多くが、すでに売っているかもしれません。誰が持ち続けているかは、誰にも分かりません。
この図が示すのは「そこで売買が成立した」ことだけです。そこにいま何人いるかではありません。
もう2つ、実際的な注意があります。
1. 集計する期間で形が変わります。
同じ銘柄でも、3か月で集計するのと3年で集計するのでは、まったく違う形になります。どの期間の図なのかを確かめてください。
長い期間で見れば、遠い過去の売買まで混ざります。5年前にその値段で買った人が、いまも持っている可能性は高くありません。
2. 分割や増資があると、意味が変わります。
株式分割をすれば、過去の株価は理論上その分下がります。図の上では帯が動きますが、実際にその値段で買った人がいたわけではありません。
そして、いちばん大事な使い方です。
これは、買う理由ではなく、動きにくい場所を知るための図です。
「この帯に集中しているから買う」という使い方はできません。分かるのは、上がっても止まりやすい場所、下がっても止まりやすい場所です。
業績を見て買うと決めた銘柄について、上値がどこで重くなりそうかの目安にする。あるいは、どこまで下げたら買い直しが入りそうかを考える。その程度の使い方が適切です。
なお、この図はすべての証券会社で見られるわけではありません。表示できるツールと、できないツールがあります。見られない場合は、過去のチャートで株価が長くとどまっていた水準を目で確かめれば、ほぼ同じことが分かります。
関連する言葉
- 出来高(できだか) その日に売買が成立した株数。関心の大きさを表し、株価の動きの信頼度を測る材料になる。
- 支持線と抵抗線 何度も反発している下値と、跳ね返されている上値に引く線。多くの人が意識するため機能する。
- 信用残(信用買い残・信用売り残) 信用取引で買って、または売って、まだ決済していない残り。将来の反対売買の予約にあたる。
- 塩漬け(しおづけ) 損が出た株を売るに売れず、長期間持ち続けてしまう状態のこと。
- 板(いた) 買いたい人と売りたい人の注文が、値段ごとに並んでいる一覧表のこと。
- 最終更新
- 2026-09-17