信用残(信用買い残・信用売り残)
信用取引で買って、または売って、まだ決済していない残り。将来の反対売買の予約にあたる。
ひとことで言うと
信用取引で売り買いして、まだ決済していない株数のことです。
もう少しくわしく
信用取引には、必ず決済する日が来ます。 制度信用取引なら、原則6か月以内です。
つまり信用残とは、こういうものです。
これから必ず反対売買される株数。
ここが、ふつうの売買と決定的に違う点です。
| 現物取引 | 信用取引 | |
|---|---|---|
| 買った後 | 売らなくてよい。何年でも持てる | 期限までに必ず売る |
| 残っている数 | 数えられない | 信用残として公表される |
2種類あります。
| 名前 | 中身 | 将来に起きること |
|---|---|---|
| 信用買い残 | 買ったまま、まだ売っていない | 将来の売り |
| 信用売り残 | 売ったまま、まだ買い戻していない | 将来の買い |
信用買い残が多い銘柄は、上値が重いと言われます。株価が戻ったところで「やれやれ」と売る人が控えているためです。これを戻り売りといいます。
逆に信用売り残が多い銘柄は、株価が上がると買い戻しに追われます。これが踏み上げにつながります。
実際の数字で見る
信用買い残と信用売り残の比を、信用倍率といいます。
信用倍率 = 信用買い残 ÷ 信用売り残
| A社 | B社 | |
|---|---|---|
| 信用買い残 | 800万株 | 120万株 |
| 信用売り残 | 100万株 | 300万株 |
| 信用倍率 | 8.0倍 | 0.4倍 |
読み方はこうです。
A社(8.0倍) … 買っている人が売っている人の8倍います。将来の売り圧力が大きい状態です。「買い長」と呼ばれます。
B社(0.4倍) … 売っている人のほうが多い状態です。「売り長」と呼ばれます。株価が上がると、買い戻しが入りやすくなります。
もう1つ、1日の出来高と比べる見方があります。
| 数字 | |
|---|---|
| 信用買い残 | 800万株 |
| 1日の出来高 | 50万株 |
| 出来高の何日分か | 16日分 |
16日分の売りが控えている、という見方です。この数字が大きいほど、株価が戻ったときの重しは強くなります。
なお、信用残は毎週公表されます。 日本取引所グループなどが、週末時点の残高を翌週に公表します。日々の数字ではなく、1週間ごとである点に注意してください。
ここに注意
「信用買い残が増えた=人気がある」と読むと、逆の判断をします。
買い残が増えているのは、その株を買った人が増えたということです。一見、良いことに見えます。
しかし信用取引である以上、その全員が期限までに売ります。
| 見え方 | 実際 |
|---|---|
| 買い残が増えた=人気 | 将来の売りが増えた |
| 買い残が減った=人気が落ちた | 将来の売りが減った |
とくに危ないのが、株価が下がりながら買い残が増えている場面です。
これは「下がったから買った」人が積み上がっている状態です。その人たちは含み損を抱えています。 株価が買値の近くまで戻ると、やれやれと売ります。
図で示したのが、まさにこの形です。株価は底を打って戻っていますが、買い残は減らずに残っています。
もう1つ、期限が来ると強制的に決済されます。
制度信用取引の期限は原則6か月です。持ち続けたいと思っても、期限が来れば決済しなければなりません。判断ではなく、制度によって売らされるのです。
これが、信用残の怖いところです。売りたくない人まで売ります。
最後に、使い方です。
信用残は、売買の合図ではありません。
買い残が多いから売る、少ないから買う、という使い方はできません。需給の重さを知るための材料です。
業績を見て買いたいと思った銘柄があったとき、信用買い残が出来高の何日分あるかを確かめてください。極端に多ければ、上がるまでに時間がかかるかもしれない、と分かります。それだけでも、待つ覚悟の助けになります。
関連する言葉
- 信用取引 証券会社からお金や株を借りて売買する仕組み。手持ち以上の金額を動かせるが、損も拡大する。
- 空売り(からうり) 持っていない株を借りて先に売り、値下がりしたら買い戻して差額を得る手法。
- 踏み上げ(ふみあげ) 空売りしていた人が損失を止めるために買い戻し、その買いが株価をさらに押し上げる現象。
- 逆日歩 空売りが増えて株が足りなくなったときに発生する費用。金額が事前に分からない。
- 出来高(できだか) その日に売買が成立した株数。関心の大きさを表し、株価の動きの信頼度を測る材料になる。
- 最終更新
- 2026-09-17