注文の有効期限と条件付き注文
注文がいつまで生きているか、いつ執行されるかの指定。指定を誤ると想定外の約定になる。
ひとことで言うと
注文をいつまで出しておくか、いつ執行させるかを指定する仕組みです。
もう少しくわしく
指値注文を出しても、その値段に届かなければ約定しません。では、その注文はいつまで残るのか。
これを決めるのが有効期限です。
| 指定 | 中身 |
|---|---|
| 当日中 | その日の大引けで失効する |
| 今週中 | その週の最終営業日まで |
| 期間指定 | 指定した日まで(最長は証券会社による) |
何も指定しなければ、多くの場合当日中になります。
そして、いつ執行するかを指定するものもあります。これを条件付き注文といいます。
| 名前 | 中身 |
|---|---|
| 寄成(よりなり) | 寄り付きで成行 |
| 寄指(よりさし) | 寄り付きで指値 |
| 引成(ひけなり) | 大引けで成行 |
| 引指(ひけさし) | 大引けで指値 |
| 不成(ふなり) | ザラ場は指値。約定しなければ大引けで成行 |
不成が分かりにくいので説明します。
「1,000円で売りたい。でも今日中には売り切りたい」という場合に使います。
| 時間帯 | 動き |
|---|---|
| ザラ場 | 1,000円の指値として待つ |
| 大引け | まだ約定していなければ成行に変わる |
希望の値段を狙いつつ、最後は必ず売るという注文です。
実際の数字で見る
指定を間違えると何が起きるか。不成で見ます。
1,000円で売りたい株に、不成の売り注文を出したとします。
その日に大きな悪材料が出て、株価が下げ続けたとします。
| 時刻 | 株価 | 注文の状態 |
|---|---|---|
| 9:00 | 980円 | 1,000円の指値。約定しない |
| 12:00 | 920円 | 約定しない |
| 14:30 | 870円 | 約定しない |
| 15:30(大引け) | 850円 | 成行に変わって約定 |
1,000円で売るつもりが、850円で売れました。
不成は「今日中に必ず売る」注文です。値段がいくらであっても売ります。 これは意図どおりの動作ですが、想定していなければ驚きます。
逆に、当日中の指値にしていれば、こうなります。
| 結果 | |
|---|---|
| 不成 | 850円で売れた |
| 当日中の指値 | 売れないまま失効。翌日また注文する |
どちらが良いかは、目的によります。 大事なのは、どちらを選んだか自分で分かっていることです。
ここに注意
期間指定の注文を出したまま、忘れないでください。
これが最も多い事故です。
1か月先まで有効な指値注文を出して、そのまま忘れる。その間に状況が変わっていても、注文は生きています。
| 出したとき | 1か月後 |
|---|---|
| 「900円まで下げたら買いたい」 | 業績の下方修正が出ていた |
| それでも900円で買ってしまう |
注文を出した理由が消えていないか、定期的に確かめてください。
もう4つ、注意点があります。
1. 逆指値は「その値段で売る」注文ではありません。
「900円に達したら成行で売る」という指定なら、実際の約定は900円とはかぎりません。 大きく飛んで寄り付けば、その値段になります。
2. 権利確定日をまたぐ注文に注意してください。
権利落ち日には、配当の分だけ株価が下がりやすくなります。その値段に指値を置いていると、意図せず約定することがあります。
3. 株式分割をまたぐと注文は失効します。
分割で株価の水準が変わるため、出していた注文は取り消されるのが一般的です。証券会社の案内を確認してください。
4. 寄成は、想定外の値段になりやすい注文です。
寄り付きは、1日でいちばん値が飛びやすい時間帯です。決算発表の翌朝に寄成で買えば、大きく上げたところで買うことになります。
そのうえで、実際的な使い分けを書いておきます。
| こうしたいとき | 使うもの |
|---|---|
| 値段を優先したい | 指値(当日中) |
| 必ず売り切りたい | 不成 |
| 大引けの値段で売買したい | 引成 |
| 損失を限りたい | 逆指値 |
そして、初心者に勧められるのは当日中の指値です。
理由は単純です。毎日その注文を出し直すことになるので、その都度「この注文はまだ必要か」を考える機会ができます。
期間指定は便利ですが、考えなくなるという副作用があります。
関連する言葉
- 指値と成行 値段を決めて注文するのが指値、値段を決めず今の値で買うのが成行。
- 逆指値 「この値段まで下がったら売る」と先に決めておく注文。損切りを自動化できる。
- 寄り付きと大引け 取引の始まりと終わりのこと。この2つの時間帯に売買が集中し、値動きも大きくなる。
- 特別気配(値段がつかないとき) 買いか売りに注文が偏って値がつかない状態。値段は段階的にしか動かない。
- 約定 売買が成立すること。注文を出した時点ではまだ成立していない。
- 最終更新
- 2026-09-17