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株を学ぶ / 基礎指標

運転資本

商売を回すために立て替えているお金。売上が伸びるほど増え、手元の現金は減る。

ひとことで言うと

商売を回すために、自分が先に立て替えているお金のことです。

もう少しくわしく

運転資本商売を回すために立て替えているお金。増えると手元の現金が減る。 180 売掛金 +120 棚卸資産 -140 買掛金 160 運転資本 億円
立て替えているお金まだ現金になっていない在庫まだ払っていない仕入れ代売上が伸びるほど運転資本も増える。増えた分だけ手元の現金は減る
売掛金と在庫は自分が立て替えている分、買掛金はまだ払っていない分。差し引きが運転資本です。説明のための模式図です。実在の銘柄・企業の数値ではありません。

運転資本 = 売掛金 + 棚卸資産 − 買掛金

用語を整理します。

言葉 意味 お金の向き
売掛金 売ったが、まだ受け取っていない代金 立て替えている
棚卸資産 仕入れたが、まだ売れていない商品 立て替えている
買掛金 仕入れたが、まだ払っていない代金 払うのを待ってもらっている

商売の流れで考えます。

  1. 材料を仕入れる(まだ払わない → 買掛金)
  2. 製品を作る(在庫になる → 棚卸資産)
  3. 売る(まだ代金が入らない → 売掛金)
  4. 数か月後に代金が入る

1から4までの間、その分のお金を自分で持ちこたえる必要があります。 それが運転資本です。

実際の数字で見る

項目 金額
売掛金 180億円
棚卸資産 +120億円
買掛金 -140億円
運転資本 160億円

この会社は、常に160億円を立て替えている状態です。

ここで重要な性質があります。

売上が伸びると、運転資本も増えます。

売上が2倍になれば、売掛金も在庫もおおむね2倍になります。運転資本が160億円から320億円になれば、160億円の現金が新たに必要です。

つまり成長するには、お金が要ります。

売上 運転資本 必要な追加資金
今期 800億円 160億円 —
来期 1,200億円 240億円 80億円

利益が出ていても、その利益が運転資本に吸い込まれて手元に残らないことがあります。

ここに注意

利益が出ているのに現金が足りなくなる原因の多くが、運転資本の増加です。

急成長している会社が資金繰りに行き詰まる例は、珍しくありません。売れているのに現金が無いという状態です。

確認する方法は、営業キャッシュフローと当期純利益を比べることです。

状態 見方
営業CF > 当期純利益 正常
営業CF < 当期純利益 運転資本が増えている可能性
営業CFがマイナス 危険。現金が出ていく一方

3つ目が続けば、黒字倒産に至ります。

逆に、運転資本を減らせば現金が増えます。方法は3つです。

  • 売掛金の回収を早める(取引条件の見直し)
  • 在庫を減らす(作りすぎない)
  • 買掛金の支払いを遅らせる(取引先に負担を移す)

3つ目は取引先を苦しめるため、力の強い会社しかできません。下請けいじめとして問題になることもあります。

もう一つ、業種による違いがあります。

運転資本がマイナスになる商売があります。

飲食店やスーパーは、商品を現金で売り、仕入れ代は後払いです。売掛金がほとんどなく、買掛金が大きい。結果として運転資本がマイナスになります。

この場合、売上が伸びるほど手元の現金が増えます。 資金調達をせずに出店を増やせる、極めて有利な構造です。

コンビニや外食チェーンが急速に店舗を増やせるのは、この仕組みによる面があります。

なお、当サイトが表示している財務データには売掛金・買掛金を含めていません。確認したい場合は有価証券報告書の貸借対照表を見てください。

関連する言葉

  • 営業キャッシュフロー 本業で実際に入ってきた現金。利益と違い、ごまかしが効きにくい数字。
  • 棚卸資産(在庫) まだ売れていない商品や材料。増えすぎると、利益が出ていても現金が減っていく。
  • 売掛金 売ったがまだ受け取っていない代金。回収できなければ、売上が損失に変わる。
  • 流動比率 1年以内に払う負債を、1年以内に現金化できる資産で賄えるかを見る割合。
最終更新
2026-09-16